コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 【カキコ住民】アビリティチルドレン【参加型】 ( No.1 )
- 日時: 2013/04/03 10:14
- 名前: せぷてむ ◆9FXqrrTuEc (ID: Z6QTFmvl)
- 参照: http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode
第1話「毒の裏側の本音」
あたし達の前に堂々とそびえ立つ校門。大きなアーチのような校門は美しい彫刻が施されていて、くぐるには少し勇気が要る。本当にくぐっていいのかって思うほどあたしには不釣合いだから。となりで目を輝かせている親友”咲楽月”なら似合うのだろうけど。
「ねぇねぇ! せぷ姉。僕ら中学生になったら此処へ通うんだね〜」
「あー、うん……」
どうして君はそんなにもハイテンションなのだよ。あたしには理解できないな。だってみんなと違う学校に通うのに。それにあたしは……
「せぷ姉〜、また先輩の事考えてたんでしょう!?」
「なんでわかんのよ。抱きついて無いのに」
「顔見れば解るし、散々言ってたし。てゆーか、抱きついてもせぷ姉の心読めないし」
「あら残念」
たしかにこの学園「架木瑚学園」から入学の案内が届いて、絶対に行かなくては行けないと聞いたときかなり絶望したな。やっと先輩に会える! って喜んでいた矢先に届いたんだから。それで毎日愚痴っていたな。
「にしても、大きすぎるね」
「国立でしょー、そりゃあ大きいよね」
この学園は国立で東京にある。さすが首都。さすが東京。にしても、校舎が3つあり、どの校舎も立派だ。冷房暖房完備だろうな。じゃなかったら嫌だよ。やる気無くすよ。
「はぁ、ここって寮で暮らすんだよね?」
「そうだけど、それが?」
「僕、せぷ姉と一緒がいい!!」
と言い切ると同時にあたしに飛びついてきた。強く抱きついて来ているので並の力じゃ引き剥がせない。
「って、さりげなく胸さわんなっ!」
「せぷ姉の胸大きいねー!」
「離せ、くたばれ。離れなきゃお前の大好きなキャラのストラップを
——壊すぞ?」
「いやー!」
少し声のトーンを落として言えばすぐに離れる。冗談なのに。
半分本気だったけどね。
「もう、アンタ達なにやってんの!」
お母さんが怒る声が前から聞こえてきた。
……お母さんが居ること忘れてたよ。ごめんよお母さん。
「今行くー!」
あたし達は真ん中の校舎、中等部へ走り出した。