コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 【カキコ住民】アビリティチルドレン【参加型】 ( No.12 )
- 日時: 2013/03/09 12:51
- 名前: せぷてむ ◆9FXqrrTuEc (ID: Z6QTFmvl)
- 参照: http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode
「ねえねえ水奈さん! 寮って相部屋?」
「違います。1人部屋です」
「え〜……」
落ち込む咲楽月の横であたしは密かにガッツポーズをする。誰かと相部屋なんて嫌だった。自分の境界に侵食されたみたいでゆっくり出来ない。小説とか書いているときにお姉ちゃんによく覗かれてたからな……
「可愛い娘とおんなじ部屋がよかった〜」
「アンタと相部屋だったら食べられるね……二重の意味で」
「二重の意味ってなんですか……」
多分水奈さんには呆れられただろうな。水奈さんはあたしにとってはイケメンの分類に入るので呆れられるのはちょっと嫌かな。嫌いな人ならいいけどさ。
それからも咲楽月によるマジでどうでも良すぎる質問が続き水奈さんはちょっと(かなり?)疲れた顔をしながらも答えてくれた。……何この人、マジでいい人じゃん。こんどクッキーでも焼いてこう。うん。
来訪者という者はいきなりやってくるそうです。
咲楽月と水奈さんの会話を聞きながらボーっとしていると遠くに男の人が見えた。よく姿は判らなかったけど、黒い髪と白衣を着ている事が判る。あと、右目に黒い眼帯を着けているのだと思う。目の色は多分暖色系だろうな。
「? どうしたんですか」
「水奈さん、あの人は?」
白衣の男の人を指差す。人を指差しちゃ駄目ってお母さんに教えてもらったけどこの場合は仕方ないよね。
「ああ、あの人ですか。彼は”Dr. クロ”君です。この学園で一番頭が良いといっても過言じゃないです」
まさに天才科学者って感じだな。<KN(カキコネーム)>からしてインテリ感がある。そんなDr. クロさんはあたし達の存在に気付いたのか近づいてきた……って、浮いてる。浮いてるよ。空中浮遊っていいな。羨ましいよ。そしてこんなことで驚いてちゃ負けだと思う。
「せぷ姉〜今かなりおどろいたでしょ〜、身体が飛び跳ねたよ」
「マ・ジ・か!!」
「水奈、此処に居たのか」
「Dr. クロ君、こんにちは。何か用ですか?」
「ああ、先生が転入生の親を職員室まで連れてったら高等部まで来いってよ」
「了解です。今から行きます。しかしこの子達は?」
2人ともカッコイイと思うんだ。イケメン同士の会話って絵になるね。
「……知らん」
「え」
「え」
「え」
知らんって、先生達無責任すぎじゃないか。でも、水奈さんは呼ばれているんだし、Dr. クロさんはなんか忙しそうだ。だから仕方ない。2人で仲良く待ってよう。お母さん達を。
「あたし達はここで母を待ってるんで大丈夫ですよ。ふらふらどっか行ってしまうような餓鬼じゃないですし」
「ねえ、なんで僕を見ながら言うのさ」
「さぁ、なんとなく?」
「……フ、しっかりしているようだから此処に取り残しても大丈夫だな」
取り残すって単語が物騒ですよ、Dr. クロさん。
「じゃあ、僕はこれで」
「水奈さん、お世話になりました」
「ばいばーい!」
水奈さんは自分のアビリティで移動速度をコントロールしているからかすぐに高等部に消えていった。Dr. クロさんも「またな」と言い残し再び飛んでいった。高等部とは逆の方向、学生寮のところだろうか。
「うん。やっぱり心臓に悪いな」
「えぇー! 面白いじゃん!」