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Re: 【1000突破記念】アビリティチルドレン【企画中なう】 ( No.157 )
日時: 2013/03/31 17:19
名前: せぷてむ ◆9FXqrrTuEc (ID: Z6QTFmvl)
参照: 企画は4月から消化するなう


 あーやばいな。どうしよう、これじゃ終わるんじゃないかな。
 矢は根をつけどんどん成長中だ。なんというか木みたいだ。僕はアビリティに炎を持ってないから焼けないし、雷でも木を焼くのは無理な気もする。うん、無理。

「ふふふ、私の勝ちだね」

 余裕な顔が腹立つ。コレが同い年だったらバトル後にいじるのに。畜生。……本当に負けるのか。別にいいけどさ。勝ち負けなんかにこだわってないし、負けた所でもう参加できないわけじゃないと思う。多分。

 いや、でも負けるのって嫌だな。

 矢はもうすでに”矢”ではなくなっていた。おそらく根が僕の足に絡みつく。そこから上へ上へと巻きつかれる。……この人女だからいいけど男だったら変態だよな。

「ねえ、負けたって言ってくれればいいよ。植物の成長止めてあげる」

 先輩だから上から目線だ。すっごく腹立つ。凄く。

「……そう言われると、言いたくなくなるんですよね」
「へぇ〜、じゃあバトル終わるまでそのままがいい?」
「……」

 プチッと何かが切れる音がした。僕、見下されるのが一番嫌いだから。うん、大嫌い。姉ちゃんを連想してしまうから。

 ——嗚呼、なんかイライラするなぁ。この先輩きっとバトルだからこんな感じなんだろうけどイライラするなぁ。


「! 君、目が!?」
 目が何ですか先輩。
「ひっ光ってる!?」
 目が光ってるって? なんでだろうね、解らないよ。でも、なんか力が溢れてきた気がするな。怒ったから? 随分と小さな事で切れたような気がするようなしないような。まあ、いっか。

「——焦げちゃえばいいのにね」

 すさまじい雷が近くの木に落ち、その木は燃え始めた。



「あ、あ、あ……」
 先輩が目を見開いている。なんだか絶望しているようで。木が燃えてなんで絶望しているんだ?






「しょ、消火器ぃいいいい!!」
 そう叫んで校舎の方へ全速力で駆けていった。
 ……へ?
 あの先輩、取り乱すなんて……植物が大好きなのか。それは悪い事したな。全然悪いとは思って無いけど。とりあえず消火でもしておくか。

 アビリティを使って火を消す。

「……随分と変な戦いだったなー」
 しばらく観賞していたいな。