コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

灰燼同盟1 ( No.166 )
日時: 2013/04/01 13:54
名前: せぷてむ ◆9FXqrrTuEc (ID: Z6QTFmvl)
参照: 企画は4月から消化するなう

「ねえ! 今日はエイプリルフールよ!!」
 バーン! とリビングのドアを開ける美夜ちゃん。もうちょっと静かに出来ないのかな……

「それが何?」
 エーリヒ君は相変わらず無愛想に返す。お菓子以外は本当に無関心で眼はいつも曇っている。お菓子が目の前に来ると輝きだすのだけれど。

「! ちょっとエーリヒ、それ私のプリン!!」
 エーリヒ君の食べているプリンはどうやら美夜ちゃんのだったのようでご立腹だ。エーリヒ君は全く気にして無いけども。

「名前」
「?」
「名前書いてなかった」
「! でっでもそれは私のなのッ!!」
「名前は? 証拠は? 本当に君が買ってきたの?」
「うぅ……」
 エーリヒ君は次々と質問を繰り出し、美夜ちゃんを困らせている。大人びているというか、子供っぽいというか…… 2人のお菓子とかへの執着は並々ならぬものだ。

「そっそれは、私の、なのぉ……ぐすっ」

 ……泣き出した美夜ちゃん。可愛いッ! じゃなくて大丈夫なのか。そして何処までプリン食べたかったのこの子。エーリヒ君はじっと美夜ちゃんを見てから、歩み寄った。そして、

「はい」
「え? むぐっ——」
 プリンの乗ったスプーンを美夜ちゃんの口に運んだ……というか押し込んだ。

 ちょっと強引すぎやしませんかね。でも可愛いからいいか。

「あとで買ってきてあげる」
「本当!」
「僕は嘘はつかない」
「やったぁ!! エーリヒ大好き!」
 そう言ってエーリヒ君の腕に抱きつく美夜ちゃん。可愛いな。写真に収めたいぐらい。エーリヒ君も照れてるけど笑っているし、可愛い。



 幼い2人を見守っていると後ろから声をかけられた。
「ナギさん、いつまでそうしてるんだい?」