コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 【カキコ住民】アビリティチルドレン【参加型】 ( No.60 )
日時: 2013/04/03 10:19
名前: せぷてむ ◆9FXqrrTuEc (ID: Z6QTFmvl)
参照: 咲楽月のコメントはスルーしよう! というか更新しないと。アバババババ

「ふぇ、ぐすっ……」
「もぉ〜、いい加減泣きやみなよ〜」
「えっ、絵里ぃ〜」

 卒業式。これが終わったら、あたし達はもう学園に行かないと行けない。つまりは、今日が岐阜で過ごすのは最後というわけだ。長期間にわたる休暇の時に里帰りは可能だ。しかし、親友と別れるというのに、悲しく無いわけが無い。

「も〜、岐阜と愛知は近いから遊びに着てよね」
 ごめんね、絵里。あたし東京に行くから。なんて言えなかった。それは咲楽月——春音も一緒だった。嘘をつくのも嫌だが、何故か言いたくなかった。あたし達は、他の人間とは異なる存在だから。

「うん……絶対行くから!!」
 ごめんね、嘘吐きで。あたしは卑怯で弱虫で、親友に差別されたくないから嘘を吐くんだ。本当にごめんね。頭の中で絵里へ対しての謝罪の言葉が巡る。


 ——またすぐに”絵里”に会えるなんて思わなかった。




 桜が咲き始め少し経った頃、あたしが寮に入ってから2週間ぐらいたった頃。今日は架木瑚学園の入学式。
 制服に袖を通すのが少し嬉しい。この学園の制服は学年によって色が違う。あたし達新1年の制服カラーは青。いま現在の格好は、水色のカッターシャツに青色のスカーフ(ネクタイとかがよかった)。青色のスカートに白のブレザー。襟のふちが青色だ。凄くおしゃれ。高等部はブレザーの色が黒になるらしい。どの道、おしゃれなのには変わりない。
 着替え終わったら、寮1階にある食堂へ朝ご飯を食べに行く。



「せぷ姉! おっはよ!!」
 いつものように突進してくるので華麗に避ける。そしたら「なんで避けるのー!!」とまあ、可愛らしい声で言ってきた。胸触られるのは勘弁して欲しい。本当に。

「そなたらは本当毎日飽きぬのだな」
「あ、”日向”おはよ〜」
「ひゅーちゃんおっはよ!」
 日向はあたしと同じゲーム好き、すなわち「オタク」である。なのですぐに打ち解けた。本当、ゲームって素晴らしい。今度「ニ●厨」の人を探そう。
「おはよう。今日は入学式であるな。それがしは白のハイカットが履けるので嬉しいのだ」
「いや、もっと別のことで喜ぼうよ」
 まあ、日向らしいから良いと思うが。
 3人で朝ご飯を食べに行こうとしたらふわふわした声が遠くからした。

「せーちゃん、咲ちゃん、日向ちゃん、おはよ〜」
「おはよう、”りあ”ちゃん」
「おっはよー!」
「おはよう」
「今日は入学式だね。楽しみだなぁ」
 何この子。ふわふわしていて可愛いよ。癒し系だよ。さすがりあちゃん。

「……早く食べて学校へ向かった方がよいのでは?」
 日向が控えめに言う。やばいと思いつつ、あまり焦らない。今日は4人で朝ご飯だ。中学生ライフはどう過ごすのか、部活はどうするのか、話に花が咲いた。

 あたし達は軽い足取りで、あのどこぞの洋館みたいな雰囲気の中等部へ向かった。