コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

【 飲み物の恨み 】 ( No.4 )
日時: 2013/03/10 10:03
名前: 〒... しあち。 ◆InzVIXj7Ds (ID: Ti.DGgQd)





 二人でカフェの材料を買いに、街にやって来た。
 平日という事もあり、人は少ないが、それでも大分混んでいる。

「……ちょっと柊さーん。コレ、買い過ぎやしないでしょうか」

 苦しそうな声を出した堂本は、買った物で姿が見えなくなっている。それ位の大荷物。
 そんな堂本を気にせず、また次の店へと入ろうとする柊の表情は楽しそうだ。

「ぜってー材料以外買ってるだろコレ」
「良いの良いの。そんな細かい事は気にしなさんな」
「細かねえよ!」

 やっと買い物を止め、二人は道端のベンチに腰を掛けた。
 堂本はゼーゼーと肩で息をしている。柊は買ったマンゴージュースを優雅に飲んでいる。

「俺のは?」
「無いよ」
「ああん? 何で無いんだよ」
「だって昂一マンゴー嫌いじゃん」

 「そんなん関係ねぇーよ!」と柊が飲んでいるカップをバッと奪い、勢い良く飲む。
 と言っても、ストローなので吸っている。そしてそれを全て飲み干した。

「あああ、私のマンゴーがぁ」
「やっぱ苦手だあー」
「じゃあ飲むなよ」

 柊は空のカップを受け取ると、くしゃっと潰した。

「そんな怒んなよー」
「さてと、次行きますか」

 スタッと素早く立ち、また次の店へとスタスタと歩いていった。堂本を置いて。

「ちょ、オイ! 待てよ!」

 置いて行かれた堂本は、ベンチに置いていた大荷物を抱えて柊の姿を追いかけて行った。








(さり気無く間接キス。そんなの気にしない程の関係)



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