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Re: ネオンソーダの泡達のポップ ( No.5 )
日時: 2013/03/25 15:34
名前: れとら ◆8Odabd9tcI (ID: MGsyo9KU)


と。
がちゃり、と扉が開き、黒髪の眼鏡が部屋から顔を覗かせていた。
その隙間から中を覗くと、栗色の髪色のウルフカットの女の子と、あともう一人、居た。

「僕らに何か、用?それとも、興味があったりして」

不敵に笑う彼が、少し怖い。
まあ、おいでよ。
手招きをして、彼は私を炭酸の世界に誘い込んだ。


「ダイ、誰?それ」
「冷やかしなら勘弁ですよ」

マイクを持った女の子と、ドラムスティックを持った男の子が私を見ている。
ダイ、と呼ばれたその人は、私の肩をぽん、と叩き、

「そこでナンパした」

ナンパ、と言えるのかどうか。
僕らに何か用、と言ってきただけだと思いつつも、軽く会釈。
佐倉から始まる名前を名乗り、彼らも私に名前を名乗った。
ベースは、ダイ。ドラムは、ケイ。ボーカルは、マイ。
偶然なのか、どうかのか。
彼らの名前は、全員最後は『イ』で終わっていた。

私の名前も。

「君も、下の名前は、『イ』が付くんだ」

じゃあ君はレイだ、と。
ボーカル並に綺麗な声で、ケイは言う。
そうね、とケイに負けず劣らずな綺麗な声で、マイも言う。

入るとも、言っていないのに。