コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 彷徨いメイズ〜いつか自分を失う日まで〜 ( No.14 )
- 日時: 2013/03/28 20:05
- 名前: 椎良 (ID: EtUo/Ks/)
ちょっと気分で、番外編を書こうと思います。
本編の更新は、また気が向いたときに。勝手です自分(笑)
主人公、なぜか宮脇君です。
○。番外編。○【Memory Of You】
Episode、1
青春の一大イベントといえば恋である。
俺、宮脇順吾は中学3年生を迎えた。
最後の1年だけど、いまだに彼女歴ゼロ。
今年は受験生ってこともあって勉強に専念しなくちゃなんないけど、好きな人できて両想いになって付き合って、一緒の高校へ進みたいとか、ちょっと妄想が気持ち悪いかもしんないけど、そういう理想をもっていたり。
でも、ちゃんと好きな奴ぐらいは—————いる。
「あ、おい順吾ぉー。あっち見てみれや、里歩ちゃんいるぞ」
「うそ、どこに!?」
「ほらあれ。花壇のところで女子らとメシ食ってる」
「本当だ。はぁーあんなか入りてぇー」
「お前だけ入ったら浮くぞ、いひひ」
緋山里歩は違うクラスだけど、中学2年の時ぐらいから結構好きだった。
委員会が一緒で、なんか話もはずんで楽しかったのがきっかけ。
けど、彼女は中学生ながらバリバリの読者モデル。
顔は可愛いし背もそこまで高くないがスラッとしてて、そこらの女子と比べ物にならない。
彼女はまぁ、高嶺の花。
掴もうとしても掴めない————。
俺はムードメーカーと絶賛され、クラスの仕切り役だ。まぁまぁ人並よりかは人気である。
けど、彼女に釣り合うような男っていうのは俺みたいなバカ担当じゃだめだ。
もっとルックスよくて周りへの配慮をしてくれる、そう紳士的な奴。
「順吾って里歩ちゃんと喋ったことないんだっけ?」
「あるって。あるけど、それは委員会とかで。それにもうお互い今は違う員会入ってるから喋れねぇし」
「なるほど。一方的な片思いで終わるパターンか」
———・・・一方的な片思い、確かに言えてる。
ていうかあたって砕けてでもいいから、もう少し積極的になりたい。
いや、俺の性格的には積極性は高いんだが、なぜか恋愛方面ではその力を発揮できないでいる。
「せめて、緋山と同じ高校に行けたらなぁ………」
「緋山ってあれだろう、開花学園行くんだってな。ちょっとレベル高いぐらいの高校」
「赤点ギリギリの俺には、夢のまた夢…」
「えーそうか?でも最近、成績向上してるって先生言ってたじゃん」
「いーや、人並みに群れたぐらいだって…やっとそこなんだから、今から頑張ったって」
「なら、もういいんじゃねーの?新しい恋はじめろよ」
「いや、今更変えるのっておかしくね?それに同級生の女子ってなんかレベル低い・・・」
「それ鈴木とかに言ったら、大勢でお前を殺しにかかりそうだな」
「あぁ、鈴木香音?俺、あいつマジ無理だわ、いっつも衝突すんだもん」
「確かに。あいつ目立つヤツ嫌ってそうだもんなー」
「あれだろ、自分が目立ちたがりたいんだよな、あぁいうのって」
他愛ない話をしながら、俺はもう一度緋山を見た。
どんな奴が好きなのか。彼女の恋愛情報は全然耳にはいってこない。
許嫁がいるとか、他校に彼氏がいるとか、そんなバカげた話しか伝わってこない。
「俺なんか、相手にするわけねぇーもんなぁ」