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Re: 彷徨いメイズ〜いつか自分を失う日まで〜 ( No.2 )
日時: 2013/03/24 08:33
名前: 椎良 (ID: EtUo/Ks/)



第2話


里歩が声をあげた。


「うそッッ…!!やだやだッ!!!」


里歩がパニックになり、へたっと腰をぬかす。
続けて屋上に入ってきた生徒たちも、紺野の光景を見て驚愕する。

誰よりもはじめに走り出したのは、宮脇順吾だった。



宮脇は何も声を出さず、トボトボと紺野のほうへ行く。
うしろにいる香音が、「駄目よ!」と叫んでいる。


紺野の倒れいている場所の2メートルぐらい前で、宮脇は足をとめる。


「———っ」





はじめてみる、人の遺体—————。
しかも、それは自分の同級生で、友達だった少年・・・・・・。

さすがにそれ以上は動くことができなかった。


「紺・・・野。なんで…ッこんなっっ!!!」



ぐっとこぶしをにぎりしめる宮脇。
次々に屋上へ生徒たちがやってきて、誰もが悲鳴をあげていた。

泣きだす女子生徒、なにも言葉が出ず硬直する男子生徒———。



そこへ、担任の立石が入ってくる。




「お前たち!早く教室に戻れ!今、見た者は絶対に他の生徒に言ったりするんじゃないぞ!!」



立石の言葉に、みんなが従った。

一気に生徒たちは屋上から去っていく—————すべての人が暗い顔をして。


残ったのは、宮脇、そして柚月と里歩だった。
宮脇はずっとその場から動こうとせず、奥歯を噛みしめていた。

里歩はしゃがみこんで—————泣いている。



柚月は————………呆然と、目の前の光景を見つめていた。


「宮脇、教室へ帰るんだ」


立石が、宮脇の肩を揺さぶる。


「イヤです!」

「はぁー…耐えれるのなら勝手にしろ。それより、なんでこんなことになった?」


誰もが静まり返る中———柚月が言葉を発する。


「私たちが屋上へ入ってきたときには、もうこの状態でした」

「鈴宮が…最初に発見したのか?」

「はい、まぁ……最初に屋上へ入ってきたので」



「そうか…」と言いながら、立石は紺野のほうへ振り返る。


すると、宮脇が、


「先生……、紺野は…死んでいるんですか!?」

「きっと…そうだと…」

「確かめてくださいッ!!!」


宮脇が叫ぶ。立石は躊躇した。
さすがに大人といっても遺体に近づくのは気が引けた。

しかし、宮脇の顔を見たら断れそうにない。




立石は、紺野の遺体のそばへ行き、脈をはかった。





「・・・・・・・」


「先生。……紺野は」

「駄目だ」

「くッッ!!」



宮脇が地面にひざをつける。


そして今度こそ————誰もが言葉を失った。






(私は今、どこにいるんだろうか…)



柚月は、情緒不安定にでもなったのか、そんなふうに感じはじめていた。





5月13日、天気は晴れ・・・いや、晴れのち曇り。
PM12:52に起こった出来事により、私たちの学校は色をなくしはじめる。