PR
コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: うさぎちゃんと野獣君。〜43㌢差の恋〜【200突破(/_;】 ( No.38 )
- 日時: 2013/04/04 14:19
- 名前: ぽちゃりす (ID: gnqQDxSO)
〜熊〜
俺がうさぎと出会ったのは高校受験の結果発表の日だった。
「すみません、ちょっと…あの」
小さ…っっ。
彼女は物凄く小さくて周りの人達に押しつぶされていた。
大丈夫かな…。
「きゃっ」
すると、彼女は弾き出されて尻餅をついた。
「…っっ大丈夫?」
俺は危なっかしくて声をかけてしまう。
彼女の身体がビクリと俺を見て震えた。
あ…俺がでかいから。
「は、はい…大丈夫です」
俺の差し出した手を握って立ち上がる。
手…小さい。
握り返すとすぐに彼女の手は埋まってしまう。
「ありがとうございます」
ペコッとお辞儀をして彼女はまた人混みのなかへ入っていこうとする。
…絶対にさっきの繰り返しになる。
「待って」
「へ?」
急に俺が彼女の手を掴んだので、警戒の目で見つめられる。
「あ、ごめん…あのさ。俺が見てこようか?」
言ってからハッとする。
一生に一度の高校受験の結果を他の奴に見られたい奴がどこにいる。
もし、オチてたとして赤の他人に『オチてましたよ』なんて酷すぎる…。
「いいんですか?ありがとうございますっ!」
だけど彼女はパッと明るい顔になり俺を見上げた。
「う、うん。番号なん?」
「82です」
82…。
俺は背が高いため、近くに行かなくても見える。
じっと目を凝らして、合格判定の紙を見た。
65…68…72…76…80…81…。
「あ…」
82。
その番号があった瞬間俺の顔がにやける。
「あったっ!82!」
「本当ですかっ!?」
2人して手を握りあってはしゃぎ出す。
「ありがとうございますっ!ふふ、今日会ったばかりなのに私の合格結果を見てこんなに喜んでくれるなんて、とってもいい人ですね」
「あ…」
言われて気づく。
何で俺こんなに喜んでるんだ?
…一目惚れだったんだ。
君に。
俺がそのことに気づくのはこの日の次の日だった。
PR