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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ESPガールアドベンチャー ( No.20 )
- 日時: 2013/04/05 14:21
- 名前: 岡井香 (ID: og1NzBie)
「おっ、時間ぴったりだ。偉い、偉い。」
「お褒めいただき光栄だが、棒読みはどうかと思いますよ。」
「うるさいぞ。あと、話し方が変だ。」
「うるさい。こっちは疲れてるの。一人で八人だよ、八人。」
「だからか。顔がひどい。死人みたいだぞ」
「未だに、体中から変な汗かいてますもん」
言葉通り、私は息も絶え絶え、と言う状態だった。
ルナは俯き、言う。
「…すまないと、思っている。まさか、あいつがいるなんて…」
「あいつ?誰よ、それ。」
ルナは、しまったという顔をして手を投げやりに振った。
「違う。言葉の綾だ。まさかあんなに追っ手がいるとは、という意味だ。」
「ふーん。そう。」
「そうだ。」
これ以上問いつめても答えなさそうだったので、質問することをあきらめる。
「でも、悩んでるんだったら相談にのるよ?」
ルナの顔をのぞき込む。
彼女は驚いた顔をしていた。
私は顔を上げ、人差し指をたてながら先生気取りで言う。
「当たり前じゃない。一応これでも、旅仲間よ」
「…仲間…」
「うん、そう」
顔を上げていたから私は知らない。
普段は年不相応の鉄仮面のルナが、年相応の表情で痛そうな顔をしていたことを。
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