コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- ESPガールアドベンチャー ( No.21 )
- 日時: 2013/04/08 15:12
- 名前: 岡井香 (ID: og1NzBie)
2
私達は今まで、セントシティにいた。だが、追っ手に居場所がばれているならここにいる意味もない。他の街へ行こう。ということになった。
「それに奴らの居場所も探らなければならない」
「そだねー。何処に行こうか、次」
「そうだな。今まで仕入れてきた情報では、奴らは東国にいると行っていたから…」
「あっ、ねぇ、此処は?」
「人の話を聞け。そこは南国だろうが」
私たちは、アリスの店の奥で地図を床に広げ向かい合いながら次なる目的地を決める。
「そういえば、お前、家はどうなんだ?」
「家?」
「ああ。…家族とか。」
ああと、私は言った。そういや忘れてた。
「今さらすぎない?もう、十日は一緒にいるのに。」
ルナは無言で続きを促す。
「心配ないよ。あの組織は大人は狙わないんでしょ。他の組織は知らないけど。」
「ああ。最近は、あいつらが仕切っているから他のやつらは手出しできないらしい。…だが、私の問の答えになっていない。」
「んー?そう?まあ、心配いらないよ。あいつらはあいつらで何とかするだろーし。」
「仲が悪いのか?」
「んー?じゃなくて、子供に無関心なだけー。」
「問題だろ」
「んー?」
本当にどうでもいいのだ。
「そんな事より、次どこ行こうか?そっちの方が重要だよ。」
ルナはため息をつき、返事をする
「そうか…東国の辺りに行きたいな。そうだな…ここなんてどうだ?」
そこは、極東の倭成実(わなみ)という黒い髪に黒い瞳を持っている倭拿の民(わなのたみ)という民族が住んでいる国だった。
「いいんじゃない?てゆうか、何処から仕入れてくるのよ、そんな情報。」
「まあ、色々とな。」
肩をすくめながらルナは答えた。
いつもそうだ。
ルナは自分のことに関しては、すぐはぐらかす。そんなルナの態度に、苛々しないわけではない。しかし、聞けないような雰囲気をいつも漂わせているおかげでいつもわからず終いだ。
「じゃあ、行こうか。」
「ああ」
ルナが珍しく笑い、言った。
「倭成実へ。」