コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

ESPガールアドベンチャー ( No.34 )
日時: 2013/07/26 02:01
名前: 岡井香 (ID: c7NU3l3g)

2

「……だあ!もう!そろそろうっとしいわよ、ルナ!」
「……ああ?」
ルナが帰ってきて約30分。
とうとう私は耐えきれなくなって、怒鳴った。
「ああ?じゃない!鬱陶しいのよ、いつまでもいつまでもぐだぐたぐだぐだ!!」
「うるさい黙れ馬鹿阿呆」
「だーから!それがうざいって言って
などと不毛な会話をしていた。
いつも偉そうな口を利くルナの背景が暗いと調子が狂うと言うか、なんか鬱陶しい。
私はバンッ、と机を叩き上目遣いにじろりとルナを睨む。
「な、なんだ、うるさいな。」
珍しく私の迫力に負けたルナが少したじろいだ感じで文句を言う。その口調にもいつもの偉そうな感じはなかった。
「……あの人と何があったか知らないし、知る気もないけど、ずっとうじうじ鬱陶しいのよ!いつものルナらしくない!」
ルナは毒気を抜かれた顔で私をただポカンとして見ている。その表情がいつもは見られない表情だったので少し新鮮な気持ちがする。
「いい?いつものルナはどんな感じだった?偉そうに人を馬鹿扱いする鉄仮面でしょうが!」
「……私はそこまでひどいか?」
ややさっきよりも沈んだ面持ちに見えるのは気のせいだろう。うん、絶対そうだ。
「だいたい、こっちの身にもなってみろってのよ。理由が一切わからないのに振り回されて。」
「それについては悪かった。」
「やけに素直だね。気色悪っ!」
「きしょっ……!」
ルナはさっきよりも深く沈み込み、お前の中て私っていったい、とかなんとか呟いた。
「はあ……悪かった。理由もろくに話さず振り回して。」
私はシングルのベッドにどかっと座り込み足と腕を組む。
「反省したのち、その鬱陶しいキャラをやめるのなら許してやる。」
「…お前、人が下出に出たら…」
「なんか文句ある?」
「……いっそ、清々しいな。苦情言う気もなくす。」
ルナも向かいのベッドに座り足の間に手を組む。
「……あれは…ミラは私の従姉妹だ。」
「ふぅーん。ルナと血が繋がってるにしてはミラさんの方が優しそうね。なぜ似なかったのかしら。」
と、私は皮肉る。
しかしルナは、私の予想に反して噛みつくような勢いで反発してきた。
「あんなのに似るだと?ふん。死んでも嫌だね。」
「はあ?なんなのよ。何でルナはミラさんをあんなに毛嫌いしてるのよ。」
「言っただろ?あいつは敵だ。」
「その意味がわからん。」
「だからお前は……」
盛大にため息をつく。さっきの仕返しだな。
「そのまんまの意味だ。あいつは私たちが今追っている…むしろ追っているのは私の方だけなのだが、まあそれは今どうでもいいな。」
ふう、とルナがため息をつく。ただのひと休みのような感じだった。
ただルナがひと休みした理由がすぐにわかった。
「あいつは私たちの敵の仲間だ。」