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Re: 好き。 〜これは最初で最後の恋〜 ( No.8 )
日時: 2013/06/29 14:52
名前: yuu【ゆう】 (ID: Pmy7uzC3)

第2話○o。.美明目線

「…その冷たい水の底まで、ラムネのびんの月光がいっぱいに透き通り、
天井では、波が青白い火を燃やしたり消したりしているよう。…はああぁあ、疲れた〜!!長いよ、やまなし。」

「え〜、まだ終わってないじゃん;高校生にもなって、小学生か;」

6月のある土曜日の事。
私は、病院の霧原の個室にいた。
私は、たまに霧原の好きな宮沢 賢治の本を読んでやるのだ。
大体、そんなに好きなくらいなら自分で読めよと、思うのだがいつも仕方なく読む。

第一、私は読書が嫌いだし人に何かを伝えるのは苦手なんだよね〜…

ぐだぐだ文句をいう私に輝はしかめっ面で「ケチ」と言う。
だったら、自分で読みなさいっ!!
「あ〜〜〜ぁ、何か暇だな〜ぁ。」
毎日、毎週、毎月、毎年、私はこいつと過ごし文句を言ってきた。
だって、知らなかったんだ。
コイツと過ごせる日々がこんなにも大切だと思い、後悔する日が来るなんて。

「美明…、あの、こないだの…あれ、本当…っ?」
「こないだの…?あぁ、あれか!名字の?」
「う、うん…。」

そこで、顔を赤らめる霧原。
何かずれてるんだよなぁ…。

「別に…?嫌いじゃないけど…。」

深く考える必要もないし、私は正直な感想を述べた。
でも、パッと振り返った先には苦しそうに首を指さし助けを求める霧原の姿があった。

「え!?霧原!?ちょ…っ!!誰か!!あ、これ…っ!!」

すかさず私は傍にあるナースコールを強く押し、霧原の背中を無心にさすった。
「い、嫌だ…っ!!霧原、しっかり!!今、看護師さんが…っ!!」
霧原は、必死に何かを伝えようとしていた。
私は、あまりにも急な事にただ背中をさする事しか出来なかった。

そうしている内に、数人の看護師さんが駆けつけて来た。

そして、彼はそのままどこかに運ばれた。

看護師さん達に、聞こうとしても怖くて声が出ない。

霧原は平気なんだろうか…?

不安で押しつぶられそうになって目をつぶった。


霧原…!!神様、どうか霧原が無事ですように—…。