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Re: 馬鹿に清き一票を! ( No.42 )
日時: 2013/05/10 23:07
名前: 乙川暮愛 (ID: /eEAG2r9)
参照: 外伝 1年A組は雫に全ての票を投じます。

壱 我らが雫!!女神!!舞い降りた天使!!

「けーくん、けーくん!!」
俺は伏せていた顔をあげると、いつもの眼鏡っ娘が俺を覗き込んでいた。

「...なんだ、瞳?」
放課後だというのに、俺の教室は異様に騒がしい。
ま、いつもの事だけど。

「ほら、けーくんも参加しよう?クラスの皆が一丸になってやろうとしているんだもん。」
参加を促す瞳に適当な返事を返しつつ、クラスを見回した。

盛り上がっているクラスは、確かにまとまっている。
ここにて、会話文を書こうかと思う。

「我らの女神、雫の良いところをあげていくぜーっ!!」
『いえーっ!!』

「その一、あの罪作りな可愛さ!」
『我ら全員べた惚れ!!』

「その二、あのはにかみながら微笑む姿!」
『あの笑顔は天使の笑顔!』

「その三、きゅん、ときてしまうあの泣き顔!」
『あの泣き顔、むしろ罪!』

...分かっただろうか。
このクラスは、一人の少女...冴木雫に魅了されていて、ストーカーまがいの行為ばかりをしている。
まぁ、ぬけがけしないのが暗黙の了解なので、彼女自信はクラスで浮いていると思ってしまっているのだが。
毎日放課後は、このように気持ち悪い儀式が行われている。

「ほらほら、けーくんも参加だよ!」
心酔していないのは俺、三富圭のみという悲惨な状況である。
俺が好きなのは、目の前にいる眼鏡っ娘、三富瞳なのだけれどもな。

「...そういえば、その冴木はどうしているんだ?」
「あぁ、しずしずなら、もう帰ったにゃん!いつも手作り料理を義兄、冴木礼央に振る舞うために早く帰るらしいにゃん♪」

ノーテンキに笑う里流の声に反応し、クラス全員が声を揃えていった。

『...冴木礼央、ブッコロス...。』

ひぃぃ、怖ぇ...。
俺はむしろ礼央と仲がいいのだが、ここでは礼央は全員の敵。
礼央の話が出るたびに、こんな調子なのである。

今のところ、殺しに行動を起こした、という話は聞かないが...。
このメンバーはマジそうで怖い。