コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 目が覚めたら乙ゲーのヒロインになってました。 ( No.6 )
- 日時: 2013/04/06 21:31
- 名前: つき ◆M.76e9/nVY (ID: HQPpIYYR)
>> 02 . 幼馴染とオカマさん
何だかんだあったけど無事体育館に到着。ボールの音がよく聞こえてくる。
中に入ると凄い熱気に包まれていた。多分季節的に11月くらいなんだろうけどおかしいほどに暑い。凄いな……。
「あ、紅葉ちゃん! 目が覚めたのね!」
と言う声が聞こえたかと思うと視界いっぱいにピンクが広がった。どうやら抱きつかれたみたい。誰だろうこの子……。
「…………!!」
め……めちゃくちゃ可愛いッッ!!
ピンク色のうなじあたりで結んだ繊細な髪。くりっとした緑色の瞳がすっごく綺麗で。運動中なのかほのかに赤く染まった頬、桜色の小さな唇。すっごく美少女だよ抱きしめたいよ!!
「こら花。紅葉ちゃん困ってるで。やめてあげな」
「ぶ〜!! 乙葉先輩、私と紅葉ちゃんのスキンシップを邪魔するんですかー?!」
「いやそういう問題じゃないで……?」
苦笑いしてる先輩は、『乙葉先輩』っていうらしい。
藍色のベリーショートがよく似合ってて身長も私より高い。凛々しい水色の目をしてる。なんていうか……かっこいい。
「ああ、相沢さん。ごめんね、彼女、僕の球が当たったみたいで……」
「ん? あぁ、王子か。大丈夫や、我らがエースはそんな事で死んだりせーへんよ」
「いやそりゃ死にませんよ」
何というか、打ち解けやすい人たちだな。この先輩といい雪村先輩たちといい。あ、綾瀬川は別だね。
多分この相沢乙葉先輩はバレー部のキャプテンだと思う。で、この花ってこはこのヒロイン(いや今は私なんだけど)の親友かな?? うんそれでいいや。
「あ、そうや紅葉ちゃん。陸君が探してたで??」
「りく君??」
……誰それ?? いやきっとイケメンなんだろーけど。
「じゃ、和希! そろそろ俺たちも戻ろーぜ!!」
「あぁ、そうだね。それじゃあ秋宮さん、頑張ってね」
「はい。ありがとうございました!」
去っていく二人のイケメン先輩。おお、周囲の女子が歓声上げてるよ。
さて、と私は体育館内を見回す。にしても広い、広すぎる。隣では男子バレーボール部が、その隣では男子バスケットボール部が部活動をしている。更にその奥では女子バスケットボール部が。
「もーみっじちゃん、りっ君探さなくていいの??」
花ちゃんかわええ……。
てかりっ君って……その『陸』って人のことかな??
「う、うん。とりあえず部活しようかなって、さ」
「えー? でもりっ君が体操服持ってきてくれてるんでしょ?? だったらどっちにしろ探さなきゃ!」
「え、あ? あ、ホントだね!! ちょ、ちょっと探してくるよ!!」
「早う戻ってきーや、紅葉ちゃん。もうすぐチーム練習するでな〜」
何で関西弁なんだろうか。と思いながらその乙葉先輩に返事をして走り出す。
体育館を出ると日の光が眩しくて目を細める。あれ、そういえばさ。何も考えずに飛び出してきちゃったんだけど。
「陸君、って……どんな人??」
「——お前は幼馴染の顔も忘れたのか?」
突如背後から声がかかってびっくりした。振り向くと不機嫌そうな男の子。……この人が『陸』君??
黒っぽい青髪を短く切ってて何だか清楚なイメージを受ける。いや、橘先輩とかはねてたからね、髪! そして初の眼鏡っ子。ちなみに黒いフレーム。その奥にある瞳も黒みのかかった青。ブレザーは白、ってことは……同じ二年??
「ほら、体操着だ。全く……お前はスポーツマンだという自覚があるのか?」
「え、あ、うん、はい。ありがとう、陸君」
「……………………」
何故かフリーズする陸君。が、何故かいきなり溜息をつかれた。
「お前な……何でいきなり『君』をつけるようになっているんだ」
「……え??」
「幼馴染だろう。昔から呼び捨てだったのにいきなり君付けか??」
「あ、えっと、ごめんごめん!! ありがとう、陸!!」
しまった幼馴染だったのかーーーーーーーーーー!!!!
ってそんな事言ってたね第一声に!! やばいよ凄く不信感もたれてるよこの顔。めちゃくちゃ不思議そう!!
「……その、……何だ」
「……??」
「ボールを額に食らったと聞いたが……大丈夫なのか??」
あ、心配してくれてるのねこの子。優しいんだ。何か嬉しくなって、つい笑顔がこぼれた。
「うん。……ありがとね!」
「……!! そ、そうか」
……あり?? 何か失敗したかな??
いや、思いっきり背中向けられたのよ。何か耳が赤いように見えるんだけど気のせいか。また変に思われてるのかな〜……。
「やっだ、何この子!! ちょ〜う可愛いじゃない!!」
「……?!」
お、重い……。いきなり背中に重いものが乗っかった。
見えたのは金髪。ふわふわしてる。ウェーブがかかってるのかな?? その髪が肩あたりまであって、目は青色。お人形みたいに綺麗。外人さんかな?? 綺麗な人ー……。
「おい紅葉、そいつ男だぞ。気をつけろ」
「…………えぇっ?!」