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Re: 広報部の青春な日々 ( No.17 )
日時: 2013/04/13 16:57
名前: 瑞咲 ◆7xuwBG6R9k (ID: eVCTiC43)

 09「弟なのか」



 月曜日の朝はいつも気だるい。
「あ、キョウー。おっはー」
「うーす…」
 いつも通り一年三組の教室に入り、自分の席につく。

「そろそろ広報、原稿作りに入らなくちゃだよねー」
「そうだったなー…」
 ああ…気だるい…。

「市川君、石田君、おはよ…って生きてる?」
 ふいに声をかけられた。
 見ると、クラスメイトが苦笑しながら俺たちを見ていた。
 えっと、こいつは確か…。

「ああ、大谷か。おはよ」
「これでも一応生きてます…」
 今時珍しい紳士的な男子の大谷エイルだ。日本人とイギリス人のハーフだとか言ってたな…。

 ……あれ?
 日と英のハーフ…。大谷という苗字…。

「あああああ!!」
「え?どうしたの市川君?」
「どーしたキョウ?」
「ええい貴様はまだ気づかないのかユイト!」
「え?え?」
 ユイトはおいといて、俺は大谷に尋ねた。

「大谷、おまえ…アレイ先輩の弟なのか!?」

「ああああああああっ!!」
 ボケ役も気付いたらしい。

「えっ!兄貴のこと知ってるの!?」
 どうやらドンピシャだったようだ。

「やっぱり…なんか引っかかってたんだよ…」
「二人とも、兄貴と知り合いなの?」
「ああ。土曜日に初めて会ったばかりなんだ。俺たち広報部と、白露高の新聞部は代々仲がいいらしくて」
「これからも交流する機会があるらしいんだよねぇ」

「そうなんだ…。じゃあ、兄貴のことよろしくね」
 ぺこりと頭を下げる大谷…弟の。…なんかやかましいな…。

「なあ、これから名前呼びしていい?なんか複雑だからな。俺たちのことも名前で呼んで」
「おっけー。じゃあエイルでね」
 よし、これで複雑さは消えた。

「あ、そうそう、二人とも広報部だったんだ」
 ユイトが苦笑交じりにうなずく。
「そーなんだよー。実は無理やりにゅ…へぶっ!?」
「か、勧誘してくれた先輩が熱心だったんだ!」
 ボケ役の頭にチョップをいれ、代わりに答える。

「?へー、そうだったんだ」
「ったく痛ぇよキョウ…。エイルは部活入ってるっけ?」
「おれは入ってないんだ。なんか自分に合う部活がなくて…」
 エイルに合いそうな部活…美術部とか似合いそうだ。

「じゃあ、生徒会とかやってみれば?二学期から選挙運動始まるし」
「あー…確かにやりがいがありそう」
「そういえば俺、今の生徒会のメンバー知らないや」
「あ、オレも」

 すると、エイルが張り紙の一つを指さした。
「あそこに全員の名前が載ってるよ」
 三人で近づいて見る。
 そして…俺とユイトは驚愕した。

『副会長・宮前芽衣』

「うそおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

「聞いてませんけどおおおおおおおおおおおおお!!??」

「え?え?知り合いの人でもいたの?」
「うん、この副会長…俺たちの部活の部長」
「へー、そうなんだ。この人、三年生の間では男女問わず人気が高いらしいよ」
 そんな事まで隠していたとは…!!

「…こうして、メイ先輩の最強伝説は日々更新されるのであった」
「そしてトモ先輩の影がうすくな…いや、なんでもない」