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Re: 広報部の青春な日々 ( No.21 )
日時: 2013/04/15 18:54
名前: 瑞咲 ◆7xuwBG6R9k (ID: eVCTiC43)

 12「清掃委員も大変だな」



「ま…埋葬部って…」
 先月のことを思い出す。
「トモ先輩が冗談で言った、架空の部活ですよね?」
 さすがにユイトもボケなかった。

 しかし、先輩は首を振る。
「もちろんあの時は冗談で言った。…だが、本当に存在していたらしい」
 メイ先輩もうなずく。
「そうらしいのよね…」

「「えええええええええ!?」」

 まじかよおおお!!

「あら、意外とすんなり信じるのね」
「かなり真面目な表情してますからね…。ところで、誰から聞いたんですか?その情報」
「おれと同じクラスの佐々木ってやつだ。あいつ曰く、何人かの生徒が、ユイトと同様に虫とかの墓を目撃しているらしい。その画像も入手した」

 トモ先輩は携帯を取り出し、少し操作してから画面を見せた。
 そこには、おそらく死骸のトカゲの周りを石で囲んでいて、正面に『蜥蜴之墓』と彫ってある石が置いてある画像が写しだされていた。
「うわぁ…この前の蜻蛉之墓と同じですね…死骸はむき出しという点も…」

「もう一枚ある」
 そう言ってトモ先輩が出した画像を見て、思わず叫んでいた。

「ぎゃああああああああ!!」←俺
「いやああああああああああああ!!」←メイ先輩
「気っ持ち悪ぅーーーーーーーーーーー!!」←ユイト

 それは、白目をむいたカエルの墓だった。しかしさっきのとパターンが違く、カエルの上に『蛙之墓』と彫られた石が乗っかっていた。
「やっぱり忠告すべきだったか」

「なんて画像見せんのよボケメガネええええええ!!」
「ぎゃあああああああああ!!」

 メイ先輩にヘッドロックされているトモ先輩から目をそらす。すると、あることを思い出した。
「そういえば、あの『蜻蛉之墓』いつの間にかなくなっていたよな」
「清掃委員が排除したんじゃない?」
「そうか…だとすれば、清掃委員も大変だな…」

 ようやくメイ先輩から解放されたトモ先輩が話を続ける。
「ぜえぜえ…。あと、埋葬部の部長も判明した」
「「ええっ!!」」
「さーすが仕事が早いわね」

「で、誰なんですか!?」
 今度はメモを取り出し、答えた。
「二年五組の吉田頼吉(よしだよりよし)、男子だ。なんか残念な名前だよなー」
 確かに残念だわー…。

 すると、メイ先輩が立ち上がった。
「よし!そのよしだよしよしに突撃インタビューよ!!」
「「えええええ!?」」

 俺たちは驚いたが、トモ先輩は苦笑いして立ち上がる。
「メイならそう言うと思ったよ…。あと、よしよしじゃなくて頼吉な」
「ま、待ってください。拠点とかはわからないんじゃ…」

 そう言うと、トモ先輩はニヤリと笑った。
「大丈夫だ、知っている。西校舎二階の空き教室だ」

 さすがはトモ先輩だわーーー!!

「よーし、全員出動よ!!」
「ってオレたちも行くんですか!?」
「当然よ!」
「はい…」

 俺たちは部室を飛び出した。