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Re: 宮廷物語〜試練時々恋愛〜 ( No.100 )
日時: 2013/05/28 23:21
名前: 音 (ID: HFyTdTQr)

〜参照200記念番外編〜
①カナエ×ショウ Ⅳ

「えっ? やっぱり変ですか?」
「うぅんー。あなたが綺麗過ぎてねぇ、ナンパとかされちゃったらどぉしよーかなぁって思ったのぉ」

 ああ。

「確かに」
「確かにって……。別に大丈夫でしょ?」
「そーだっ! じゃーあ、彼氏と離れちゃ駄目よぉ。ずっと手組んで行きなさい!」

『無茶苦茶だなぁ』
『こうでもしないといちゃいちゃしないから by.作者』
『言わされ感半端ないな。っていうか、まだ本題に入れてません。すいません』

「「ぇ……っ?」」

 ——カナエと手組む?

 でも、ナンパなんかされたら嫌だしなぁ。

「カナエ、行くぞ」
「えっ? えぇー!?」

 この叫びって嫌がってる訳じゃないよな?
 俺、顔赤いかな?

『二人共、顔真っ赤!』
『でも、お似合いだね……』

 カナエが、こんなに近い……

 あーっ! もうっ! なんだよっ! なんなんだよっ!
 なんでこんなにドキドキするんだよっ! 俺っ!

 カナエのことが、好き?

 まっ、まさかなっ。あははは——?

「ごめん、ね? 嫌だったら離れるけど?」
「はっ? へっ? い、いやっ! カナエがナンパとかされたら嫌だし——じゃなくて、
 そっ、そうだっ! エリにめちゃくちゃ怒られるだろうしっ!」

『なんで、あたしを出すっ? まっ、ショウがほっといたせいでカナエがナンパとかされたらあたし本気で怒るけどねっ!』
『ライバルでも?』
『カナエが誰のこと好きかわかんないでしょ? それ以前にあたし達は親友だしね』
『俺、エリ姉ちゃんのそういうとこ好きだよ』
『っ!』

 あー俺、すっごい変なこと言っちゃったよな。かっこ悪。
「うーん? あっ! ねぇ! あれ、美味しそうじゃない?」

 カナエがこんなにはしゃぐの、珍しいな。

「りんご飴?」
「うん! あと、あれも!」
「チョコバナナ?」
「うん! どうしよう、どっちも食べたいけど」
「食べればいいじゃん。俺、おごれないけど……」

 こういう時は、男がおごるべきなんだろうけどな。情けない。

「大丈夫っ! お小遣いもらって来たから。でもさ、なんかもったいない気がしちゃうんだよね。
 そうだっ! ショウ、どっち食べたい? それでさ、一口ちょうだい?」

 えっ?

『姉ちゃん、大胆発言すぎ。さすが天然』
『あははは……。かわいいけどね。ショウ、固まっちゃってるよ』

「良いけど。俺、お金が」

 カナエに払ってもらうなんて、申し訳なさすぎるよな。

『あぁ』
『そっちね』

「私が、どっちも食べたいだけだからね?」

 すご。気使っているように見えて使ってないというか、使ってないように見えて使っているというか——
 どっちだろ?

「分かった。ありがと」
「何が?」
「ん? 別に気にしないで。じゃあ、俺、りんご飴にしていいかな?」
「うん! ありがとうっ! じゃあ、買いに行こっ!」

『はい。まだ気付いてないみたいです』
『買い終わったみたいだよ』

「はい。一口良いよ。それもちょうだい?」
「うん。はい」

 二つ共、割り箸に刺さっていて、便利だ。

「ありがとうっ! 美味しいね」
「だな」

 チョコとバナナの組み合わせってすごいな。

「……」
「……?」
「あれ?」
「これってっ?」
「「かっ、間接キスーっ!?」」

『気付いた』
『遅いよ』

「あわわわっ! どうしようっ! ごめんっ!」

 顔赤い。——俺もか。

「でももう食べちゃったし」
「そっ、そうだよね」
「……」
「……」

 うわぁ、すごい気まずい。

「あっ! 待ってッ! 泥棒ッ!」
「はっ? ちょっ!」

 えぇーっ! このタイミングで!?