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カエ　＊３＊

　はー。夜中はほんっとに楽しかったー。
　徹夜覚悟で玄関の前に座ってた価値ある。

　やっぱ姉ちゃん、期待を裏切らないよなー。

　頭の片隅でさすがの姉ちゃんでも夜中に宮廷を抜け出して俺たちのところに戻ってくるはずないよな。って思ってたけど——
　ほんとにここに来たし。しかも真夜中に幼なじみの執事にお姫様抱っこされて。
　馬鹿っていうか、天然っていうか……。

　俺が『あーあ。やっぱり来ちゃったよ……。馬鹿姉ちゃんとその彼氏』って言った時の皆の反応ときたら——
　特にショウ兄ちゃん。あの落ち込み度は半端なかったわ。

　うーん……。俺って趣味悪いかなぁ？
　前、姉ちゃんに『カエって趣味悪いよ？』って言われたときは、そんなことないよ？　何言ってんの、姉ちゃん。って軽ーく流せてたけど、今聞かれたら前と同じように余裕に返せない気がする。

　でも、ね。節度を守れば、人のことをいじっていいでしょ？


　姉ちゃんが居ないとつまんないなぁ。
　エリ姉ちゃんとかショウ兄ちゃんをいじるのも楽しいけど、やっぱり姉ちゃんが一番面白いからなぁ。

　ん？　んん？　もしかして俺——

　シスコン……だったりする？

　ま、まあ、それはそれでいっか。
　「お姉さんのことを大切に思ってる優しい弟」ってことで。
　——なんか、全員に突っ込まれそうだけど。

　お。
　なんか面白そうなことを思いついた！

　昼ごはんの後、エリ姉ちゃんとショウ兄ちゃんに話そ。