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Re: 宮廷物語〜試練時々恋愛〜【更新再開しました!】 ( No.149 )
日時: 2013/06/30 14:02
名前: 音 (ID: HFyTdTQr)

エリ *3*

「はあっ!? 宮廷の使用人になる!? 俺らが?」
「うん。駄目?」

 身を乗り出して、目を見開いて驚きを体全体で表現しているショウと、いつものように目をキラキラさせながらニヤッと笑っているカエ。

 こんな状態になったのは、さっきのショウのセリフから分かるように、カエがカナエのいる宮廷で明日から働こうって言い出したから。

「あたしはいいよ。ここのことはカコちゃんに任せて、あたし達で宮廷に働きに行ってお金を今より沢山稼げたら暮らしが良くなるしね」

 ショウは、驚いてるけど嫌ではなさそうだし。

「お、俺も、別にいいけど……俺達が急に行って、仕事くれるか?」
「確かに。まさか、そこまで考えてなかったなんて言わないよね?」

 すると、カエはさっきのショウと同じように目を見開いてから、うつむいて考え込んだ。

「さすがの俺でもそこまでは考えてなかったなぁ」

 なーんか考え込んでると思ったら、考えてなかったの!?
 しかも、なにその見下したような態度と口調! なんかムカつく!

「はあ?」
「考えがあると思っての賛成だったんだけど?」

 あたしとショウは冷たーい視線をカエに向けた。

「ちょっとちょっと! ねぇ、忘れてない? 俺、二人よりも年下なんだよ?」

 さすがに目を細めて口の端だけを上げて笑うというその態度には我慢出来ない!

「だから」
「それで」
「「何?」」
「ごめんなさい」

 あたし達が怒りそうだったらすぐ謝るなんて、カエにも可愛いとこあるじゃん。
 謝ればいいってもんじゃないけどね。
 まあ、反省してるっぽいし許してやるか。

「で、どうすんだ? 俺達は、カエ次第って感じだけど」
「うーん——」

 そこで、少し間をあけて。
 早く言えばいいのに!

「二人共、荷物まとめといてね」

 年相応の可愛らしい笑顔で言われた。