コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 宮廷物語? ( No.16 )
- 日時: 2013/05/17 22:55
- 名前: 音 (ID: HFyTdTQr)
第一章 *2*
「約束、守ったよ」
——どういう意味?
強くなったのかな?
「ルト、今までどこにいて何してたの? なんでそんなに身長伸びたの?」
本当にたくましくなっていて、頭が混乱している。
責めるように聞いてしまった。と、言ってから思った。
「だから、修行してきたんだって。大丈夫。お父さんとお母さんにはあやまってきたから」
私の暗めな表情を見て言ってくれたみたいだけど。
「そういうことじゃなくて」
「そうだ。伝言がある。エマ様とレスタ様、別れたって。それで——」
「へっ!?」
思わず、ルトの言葉を遮ってしまった。
お母様とレスタ様が別れた? 離婚ってこと?
「ち、ちょっと待ってっ!?」
なんで? レスタ様がお母様と別れるはずないと思ってたのに。
「なんでって、俺が知ってる訳ないじゃん」
遮られることを予想していたのか、その事については何も言わないルト。
困ったようだけど、嬉しそうに笑っている。
「なんでって言ってないけど?」
「顔見れば分かるし。続き言っていい?」
即答された。
「う、うん」
ルト、こんなにしっかりしてたっけ?
ルトの変わりように戸惑ってしまう。
「レスタ様は、今までのことを反省して遠い国にお金を稼ぎに行った。稼いだお金は、エマ様に渡すそうだよ。エマ様は今、ちょっとした病気になっている。カナエさあ、楽器全般大丈夫だよな?」
お母様が病気?
「うん。だいたいなら」
楽器大丈夫か聞かれてたのを思い出して応えたけど、お母様が病気なの?
「今、宮廷の音楽家が居ないんだよ。エマ様は若いからって皆、楽器の練習をちょっと適当にしてたみたいなんだ。
もうすぐいろんな国の偉い人達を集めたパーティーがあって、宮廷の〜家の紹介をしないといけないんだよ。だから、教養もあって、楽器が出来る人を探してたら、エマ様が、カナエなら大丈夫。とおっしゃったんだよね」
お母様は、宮廷音楽家もなさっている。
私は、お母様の音に憧れていろんな楽器を練習し出した。
そのうち、音楽の虜になってしまった。
最近は、楽器が無いけど暇さえあれば歌っていた。
「えっ? じゃあ、私はどうすればいいの? っていうか、最近楽器さわってないから……」
聞きながら、考えていたことはやっぱり、お母様の病気のこと。
その後にルトは、私の生活がまたまた変わってしまう事を言った。
「これからは、しばらく宮廷で暮らしてもらうよ。カナエ様」
「へっ?」