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Re: 宮廷物語〜試練時々恋愛〜 ( No.43 )
日時: 2013/05/18 09:46
名前: 音 (ID: HFyTdTQr)

第二章 *4*

「おお、カナエ。久しぶりだな。さらに美人になって」
「この度は宮廷にお呼びいただき、ありがとうございました」

 玉座に座る王様は、筋肉むきむきで綺麗な金髪の、俗に言うイケメンな人だ。

「そう、かたくなるな。親戚のおじさん相手だぞ?」

 目がキラキラしている。からかっていることがバレバレというか……
 王様という地位の方じゃなかったら、優しくて面白い親戚のおじさんだったのにな。と思った。

「まぁ、良い。冗談はこのくらいにして、本題に入る」

 目の色が変わった。さすが王様。

「エマが倒れたのは知っておるな?」
「はい」

 雰囲気がガラッと変わったことに驚きを感じつつ、あいづちをうった。

「そこでだ、カナエ。お前に臨時宮廷音楽家をしてもらうことになった。近々、隣国の王等を招いてパーティーを催す。その時に、演奏するのも知っておるな?」
「はい」

 はい、以外に何か違うことを言った方が良いのかな?

「それに加えて、我の子供に楽器を教えて欲しいのだ。そのパーティーで演奏させるのを目標にして」

「はい。え?」

 危ない危ない。そのまま聞き逃しちゃうところだった。
 王子様とお姫様に楽器を教える? 私が?


「はっはっ。もう下がって良いぞ。予定はモーリスに伝えてもらう」
「は、はい……」

 え? えぇーっ!
 人に教えたことが無いのに、お姫様と王子様に楽器を教えるの?
 恐れ多いです。いくらいとこだって言っても……


 廊下を歩いているけど、私は上の空。
 ルトは私の、どうしよう。話掛けないで。オーラを敏感に感じとったのか、さっきから無言。

「はぁ」

 思わずため息をついてしまった。

「はい、笑おう!」

 あれ?
 ——ど、どちら様ですか?