PR
コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 宮廷物語〜試練時々恋愛〜 ( No.81 )
- 日時: 2013/05/26 21:57
- 名前: 音 (ID: HFyTdTQr)
第三章 *4*
「なんだぁ。彼氏じゃないんだねぇ。びっくりしたよ、ほんと」
——ですよね。私もびっくりしましたよ……
やっと誤解が解けました。
「それで、この人は……?」
ショウ? なんか暗くない?
「あの、実は私——」
「知ってるよ。王族なんでしょ?」
あれ? なんで知ってるの? あと、なんで私が言いたいこと分かったの?
まあ、実際には王族の親戚だけど。
「王族っていうか、王族の親戚だよ」
「なんで知ってるの?」
カエの言葉を軽く無視して聞いた。
一度もその事話したことないはずだけど……
「見れば分かるよ! だって金髪が混ざってるのは王族の人だけだって、皆知ってるよ?」
そ、そうだったの?
「俺は、カナエの幼なじみで執事。そろそろ本題に入りたいんだけど?」
ルト? なんか怖いよ?
っていうか、なんでショウと睨み合いしてるの?
でもそうだった。話、進めないとね。
「えっと、お母様が倒れちゃったから宮廷音楽家がいなくなっちゃったの。だから、私が代役をつとめることになって……。これから宮廷で暮らさないといけなくなったの」
カエが真顔になった。
「……ごめんカナエ。全くわかんない」
エリが申し訳なさそうに言った。
え?
でも、これ以上簡潔に説明出来ない。
「つまり、カナエはこれから宮廷で暮らすからここには帰って来られないってこと」
ああ。さすがルト。
私が困ってるのを察して、説明してくれた。
「じゃあ、俺らもう帰ります」
え?
「ちょっ、ちょっと! …あっと、皆、ごめんっ! またね!」
ルトは、また私をお姫様抱っこして、走り出した。
無事、誰にも見つからずに帰れた——はず。
ちなみに、帰りも無言でした。
PR