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Re: 宮廷物語〜試練時々恋愛〜 ( No.97 )
日時: 2013/05/26 22:28
名前: 音 (ID: HFyTdTQr)

〜参照200記念番外編〜
①カナエ×ショウ Ⅲ

「夏祭りって、キモノとかいうやつを着てヤダイとかいうお店をまわるやつ?」

 この国では、この形式で行うことは少ない。
 海の向こうの国の祭りの形式だそうだ。

「うーん。なんか違うかな。浴衣っていうのを着て屋台っていうお店をまわるやつだよ。今日は、本当にその国の人達が来て運営してるんだって! 本場の夏祭り、楽しそう!」

 よく知ってるんだな。尊敬する。

「そこのカップルさーん! 夏祭り行くのぉ?」

 カップル……?

『はい。二人共キョロキョロしています。ちなみに、まわりには家族連ればかりです』
『あっ、自分達に言われたんじゃないかって気付いたみたい』

「カップルって……俺達ですか?」
「そぉそぉっ! 今、夏祭りの開催に合わせて浴衣のレンタルをしているんだけどぉ、レンタルしていかなーい?」

 カップル? っていうか違うし。
 そう、みえんのかな?

「ねぇショウ、レンタルしていかない? 浴衣を着る機会なんてあまり無いから……」
「い、良いけど」
「やった! 行こう?」

 カナエから何かをお願いしてくることは少ないから、嬉しかった。
 笑顔……かわいいっ!

〜数分後〜

『おぉっ!』
『ショウ、かっこいい』
『確かに。さすがショウ兄ちゃんだな』

 薄いな。確か、そこの国は蒸し暑いんだっけな?
 だったら、この服は快適そうだな。
 そんな事を考えていると、さっきの女の人がきた。

「あなたの彼女、とってもかわいいわねぇ。浴衣姿も綺麗よぉ。本当、羨ましいわねぇ。女の私でも惚れちゃいそーだわぁ」

 なんか、あんまり好きじゃない喋り方の人だわ。
 この人、女? がっしりしてないか……?

「彼女じゃないですよ」
「あらぁ? そーなの? 私には、カップルに見えたけどぉ?」
「……」

俺、この人好きになれそうにないな。

「まぁ、良いけどぉ。
 あの子、絶対モテるから好きなら男らしくシャキっとしなさいよ。
 あぁ。ごめんなさいねぇ。私には関係ないわよねぇ」

 …なんだこの人。一瞬、だらだらしたのがなくなって真剣になったけど?

『うわぁ、強烈な人だな』
『あの人、話してみたいな……』

「あぁ。来たわよぉ」

 ——っ!
 かっ、かわいいっ!

 薄ピンクの生地に濃いめのピンクの花が裾の方に大きめに、他は花びらが色んなところに描いてある浴衣で、髪は耳の少し上にひとつにまとめてあってふわふわしている。 そこに歩くと揺れるチャームがついている。

 カナエにとても似合っている。

『カナエ姉ちゃんかわい過ぎる。なんだよ、なんかめっちゃ悔しいんだけど。ショウ兄ちゃん、ヤバいんじゃ?』
『カエ、その気持ち、すっごい分かる。あたしでも、見惚れちゃうもん』

「えっ? どうしたの? なんか、変かな……?」
「まっ、まさかっ!」

 そんなわけないだろ、と心の中で付け加えた。

「かわいすぎて——っ! 俺、何言って、ごめん」
「ん? ありがとう。大丈夫だよ?」

 パニクり過ぎっ! 俺ー。
 あー、恥ずかしいっ!

「んー? どうしようかしらぁ?」