コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 幼なじみから恋人までの距離(17) ( No.23 )
- 日時: 2013/05/12 20:33
- 名前: あるゴマ ◆Dy0tsskLvY (ID: Ba9T.ag9)
「ほほぉ〜。あいつなんて呼ぶ間柄なんだ〜」
ショートカットの女子はまるで新しい玩具を見つけたような目をして、香凛の肩に手をまわし楽しそうに笑みを浮かべる。
「ち、ちょっと、本当にそんな関係じゃないんだってば」
香凛は「違う」と強調するが、二人の耳には届いてないようだ。
なんだ、上手くやれてんじゃん。
これ以上聞き耳たてるのも無粋だと思った俺は、そっとその場を離れた。
しばらくゲームをやって、そろそろ帰ろうかと思い出口に向かって歩いていると、またしても香凛達を見つけた。
ちょうど友達と別れるところみたいだ。
「じゃあ、また学校でね〜」
「うん。またね」
そう言うと、友達二人は帰っていった。
せっかくなんで、声くらいはかけておくか。
「よっ、お前も遊びに来てたんだな」
「わぁっ!! ……なんだあんたか。驚かせないでよ」
いきなり後ろから声かけたのは悪かったが、「なんだあんたか」はないだろ。
「奇遇だな。何してたんだ?」
「友達と遊んでたのよ。そういうあんたは何してんの?」
珍しく会話がつながってるな。今日は機嫌が良いんだろうか?
「ちょっと、格ゲーの道を極めにな」
軽いジョークのつもりだったが、心底あきれたみたいな顔して見られたので訂正しておく。
「……冗談だ。母の日が近いだろ? そのプレゼントを買いにきたんだよ」
俺がそう言うと、少し驚いたような表情をする香凛。
何? 俺の事どんなイメージで見てんの?
「そうなんだ。そういえば、わ、私も母の日のプレゼントまだ買ってなかった」
「へぇ〜そうなのか? そういうの忘れそうにない感じだけど」
家族のイベント事とかは、きっちりやってそうだよな。まぁ、勝手なイメージだけど。
「そ、そうだ。せ、せっかく来たんだし、見ていこうかな」
香凛は俺をチラチラ見ながら話す。
「そっか。まぁ、良いのが見つかるといいな」
そう言って帰ろうとすると、香凛に呼び止められた。
「ち、ちょっと待ちなさいよ」
「何だ?」
「そ、その……あんたも買い物付き合っても良いわよ?」
はい? 何その流れ?