コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 恋桜 [Cherry Love] ( No.105 )
日時: 2013/07/11 21:15
名前: 華憐 (ID: xDap4eTO)

「そ、その秘策とは!?」

優那が美樹に顔を近づけながら、興味津々といった輝いた目で言う。
すると、美樹は少し後退りながら答えた。

「まず、あたしと真奈が”じゃあ、こっち行ってくるわ”的な感じでサーッと消えてくでしょ?」
「うん」
「え!?優那、”うん”じゃないでしょ!!」
「で、次に優那と石島が”それじゃあ、ストロベリータイムなんで”と言って消えてくでしょ?」
「おー」
「さっき無視したよね?てか、”おー”じゃない!」
「すると…あら不思議。涼香と篠田くんだけの時間が流れ始めるのです!」
「おー!」「おー!」

私と優那が同時にぱちぱちと拍手を送る。

「ぱちぱちじゃなーい!」

しかし、反論する者が一人。それは涼香だ。

「そ、そんなのあからさますぎるし、バレるし、恥ずかしいって!」
「それが青春じゃないのかい?」

美樹が涼香を宥めるように言う。

「青春は一生に一度なんだから、謳歌しないとつまんないでしょ?」

そう言ってにっこり笑う彼女。
それを見て涼香はいくらか落ち着いたようだ。
そして最終的には首を縦に振って、ホテル宿泊最終日を終えた。

—翌日

「…それでは、2時間後にここに集まるように。解散!」

先生の掛け声と共に、国際通りを歩き出した生徒たち。
他校の制服も混ざって、まるで文化祭のような気分だ。

「それじゃあ、まずはちんすこうから!」

そう言って私達を率いる心強いリーダーは、勿論美樹だ。

「枝下は元気だなぁ」

優那を見つめながら石島くんが言う。
そんな視線を感じてか、優那は少しはにかんだ様に笑う。

「はい、そこー!早速いちゃいちゃするなー」

涼香が両手でメガホンを作るようにしながら言う。
それを見て、篠田くんが笑っている。

「皆楽しそうだねー!」

美樹の隣に立っている私も思わず微笑んでしまう。

「でしょー!?やっぱ、修学旅行はこうでなくっちゃ!」

こうして、美樹は歩みを進め始めた。