コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 恋桜 [絶賛三角関係中!] ( No.34 )
- 日時: 2013/05/05 18:00
- 名前: リア (ID: exZtdiuL)
「凜、さっきはごめんね!私、そういうつもりじゃなくて…」
「ん?何のことだ?」
「えっと、その…さっきのこと…」
私が口籠りながら下を向くと、凜が納得したように笑った。
「あぁ、大丈夫だ。友達発言のことだろ?大丈夫、俺はそんなの気にしないから。昔から言われてるから…あれ?なんか悲しくなってきたぞ?」
何だか凛の様子がおかしい。
変な笑い方をしている。
所謂、泣き笑い、というものだ。
でも、嬉しくて泣き笑いをしてる様子ではなさそうだ。
「凜?」
「大丈夫だ。真奈。早く列に並んどけ、ってお前は俺の後ろか」
「うん」
私は頷いて、凛の後ろに並んだ。
そして、それから美樹を見ると、なぜか彼女は爆笑していた。
私はその理由がわからなくて首を傾げていると、美樹が逢坂くんを連れて、私の所までやってきた。
「いやー、真奈。あなた、傑作だわ!」
「け、傑作!?」
「こんなに天然な少女、あたし見たことなかったよー?」
「俺も初めて見た。いやー、でも何か嬉しいね。ライバルの位置が確定されてると」
「なんか悪い事言われてる気がします」
「大丈夫よー?褒めてるの」
「そうだよ?綾川さん。俺は褒めてるんだ」
「そ、そうなの」
逢坂くんに見詰められながら言われたので、一言、そう言って顔を真っ赤にしながら俯く私。
こんなのじゃ私の恋心が逢坂くんにバレルのも時間の問題じゃない!
と心のうちで思いつつも俯くのをやめられない。
「どうしたの?」
逢坂くんが心配そうに私の顔を覗き込む。
私はそれに驚いて、暫く逢坂くんの目を見つめていると、美樹が割って入ってきた。
「はい、そこー。イチャつかない」
「い、イチャついてなんかいないよー!」
「冗談よ、冗談」
「美樹ちゃんってば冗談言ってる風には見えなかったよー。絶対本気だった」
「どうしてそう言えるの?」
「目が本気だった」
「…あはは」
「え?何か間違ったこと言った!?」
「そんなに焦らなくても大丈夫よ。ただ、本当に真奈って面白いなーと思って」
「え!?私の!?どこが!?」
私は今まで自分と仲良くしてくれる子達が、本当は私のことをどう思っているのか、私のどこが好きなのか、と聞く機会を逃していたので、興味津々というような感じで美樹に詰め寄った。
そんな私の反応を見て、意外、と言いたげな顔をした美樹。
だが、すぐに明るい笑顔に戻った。
「そんなの決まってるじゃん!裏表のないところ!」
「裏表のないところ…?」
「女子では珍しいよ〜?」
「そうなの!?それじゃあ、美樹ちゃんはどうなのっ!?」
私が思わず意気込んで聞くと、美樹は小さく笑った。
私はその美樹の笑顔の急変に驚いて
「どうしたの…?」
と尋ねた。
すると、美樹は凜の方を見ながら言った。
「う、ううん。ただ、あたしにはさ…」
「あたしには?」
「裏表、あるよ」
その時の美樹の様々な感情が入り混じったような表情を私は生涯、忘れることは出来ないだろう。