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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 君はまだ愛を知らないでいる【短編集】エピソード10更新! ( No.66 )
- 日時: 2013/07/15 23:00
- 名前: 朔良 (ID: 2IhC5/Vi)
episode11 「勿忘草」
花を、渡されました。
「こ、これ……やるよっ!」
「え? ありがとう……」
それは、ピンクの紙に包まれた勿忘草。
元々はヨーロッパの花で、色はピンク、青、青紫、白などがある。
花言葉は——……「私を忘れないで」「真実の友情」だったかな?
私の家はフラワーショップで私も時々手伝いをしている。
まあ、そんなことはおいておこう。
渡してくれた彼は同じクラスの河内輝(かわち てる)君。
私は好きな人に一生友達宣言をされてしまったような哀れな女になってしまいました。
「……片平。なんでそんな複雑な表情してんだよ。もしやそれはあれか? お断りっていう意味か?」
「いや、お断りってわけじゃないけど……」
うん、今までこんなに複雑な気持ちになったことはない。
ずっと、好きだったのにな——……。
「片平、勿忘草の花言葉知ってるか?」
「あ、うん。『私を忘れないで』『真実の友情』でしょ?」
そう言うと、河内君はきょとんとした顔になってから、顔を真っ赤にして言い始めた。
「あのなあっ」
「え、あ、はい!」
私も勢いで返事が強くなる。
「勿忘草には『誠の愛』って意味もあるんだよ!」
その瞬間、きょとんとなったのは私だっただろう。
「まったく……それぐらい知ってろよ……」
河内君が顔を赤くし、目線を下げながら小さく言う。
予想もしていなかった出来事だった。
「……河内君、今日のこと絶対忘れないでね」
「ああ! こんな恥かいたこと忘れねえよ……」
私は河内君の頬にキスをする。
河内君の顔はもっと赤くなってしまいました。
勿忘草 花言葉……「私を忘れないで」「真実の友情」「誠の愛」
登場人物
片平優花 yuka katahira
河内輝 teru kawathi
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