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Re: 彼は天邪鬼 【オリキャラ募集中】 ( No.107 )
日時: 2013/06/20 12:50
名前: 莉遠 ◆gX.y9FxA6g (ID: LpTTulAV)

100スレッド突破記念

another story NO.1『桐谷涼太』


————中学3年の春


俺はあいつらと同じクラスになった。そのおかげで今の俺が、いや、今の俺たちがここにいる。


初めてのHR、つまり今、クラスでは自己紹介が行われている。


岸谷夏姫:えっと、岸谷夏姫です!あだ名はなっちゃんです!元4組!茶道部に入っています、よろしくお願いします!

先生:んじゃ、次。桐谷!

涼太:あ、ハイ・・・


急にキャーという声が聞こえた。中学でも勝手に盛り上げられていた。だから・・・くだらない。


涼太:桐谷涼太、元1組、帰宅部。よろしく。


さらにキャーという声が強くなった。別に何を言ったわけでもない。だがなぜか女子が騒ぐ。


ちゃんと自己紹介すると俺は、桐谷涼太。天邪鬼。そしてもう一つの女子としての俺の名前は桐谷涼子。ややこしいが今までの話から察してくれ。


先生:じゃあ次・・・


裕輝:よっしゃ、俺だな。俺の名前は久利生裕輝、元4組!帰宅部だがたまに部活に邪魔するぜ、特に運動部!

男子生徒:おいおい、邪魔すんなよ。お前のやってることは部活荒らしだろうが!

裕輝:そういうこと言うなよ。そんで、誕生日は6月23日、血液型はB型!AKB48の推しメンは大島優子!

男子生徒:長いぞ久利生!それに推しメンは大島優子でもお前の嫁は岸谷だろ?

夏姫:ちょ、何言ってるの!ぶん殴るよ!


バカな奴、だけどなぜだろうか?アイツは俺と同じ匂いがした。



そして次々と自己紹介が続いていく・・・そして


先生:最後、村上!オイ、今HRだ!ポテチ食ってるんじゃない!

敦:ん〜、あ〜、おいしいよ。


その一言でクラスのほぼ全員が笑った。

今まで言っていなかったが、実は村上敦も涼太と同じ中学だったのである。そして・・・



涼子:不思議だったね、あの久利生って人。今まで一緒のクラスになったことがないから全然気にならなかったけど、なぜか同じ香りがしたよね。

涼太:ああ、まあ、そうだな・・・


家で鏡で涼子と対話していた2人。


涼子:ねぇ、久利生くんと友達になってみたら?五十音順で前後だったから席も前後だったでしょ?話す機会は全然あるじゃん。

涼太:まあ・・・そうなんだけど、友達なんて作ったことないしな

涼子:ほら、変わらないと!中学最後の年なのよ!アンタ、そんなに性格ねじ曲がってるわけじゃないんだからもっと自信もちなよ。ただ周りの皆が間違った風に見てるだけで頑張れば君は絶対ちゃんと友達できるって。

涼太:・・・・・・・・・まあ、努力はしてみるよ。




翌朝




涼太:(ハァ・・・ああは言ったものの、アイツも俺のことを異常な人間として見てるかもしれないな。だけど、まあ当たって砕けろとも言うし、声だけかけてみるか



ガララ、教室のドアを開けた。そうしたら・・・



夏姫:だから、こことここは同じ角度でしょ?この2つの線が平行なんだから!

裕輝:ん〜、あ〜言われてみるとそうだな。夏姫、お前頭いいな。

夏姫:裕くんがアホなだけでしょ!


夏姫が涼太の席に座って、涼太の席の後ろの席である裕輝に勉強を教えている。まあ簡単に言うと、涼太が今、座る席がなくなっている。


涼太:あの、ちょ、そこ俺の席なんだけど・・・

夏姫:ほら、桐谷くん来ちゃったじゃん!普通バカでも5分くらいあればこの問題解けるよ?

涼太:は?

裕輝:仕方ねぇだろ解けなかったからよォ。あ、悪い桐谷。・・・そうだ!夏姫、その席どけ。

夏姫:ハァ!?折角教えてやってるのにどーして!ていうかなんでそんなに上から目線なの!?

裕輝:だって桐谷って確か学年でも毎回上位って有名なんだろ?だったら桐谷から勉強を教えてもらう。

涼太:は?いやいやいや、なんで?


なんかよくわからない展開になってきたぞ・・・、なんていうかこいつ、マイペースだ。


裕輝:な?教えろよ。夏姫曰く5分で解ける問題だってよ。お前なら、あ〜1分で解けるんじゃね?

涼太:さあ・・・。とりあえず問題見せて。


はい、と数学の問題のプリントを見せてもらった。ぶっちゃけ1分もいらない。パッと見で答えわかるんだけど・・・


夏姫:でも、この席はりょーくんの席だから、とりあえず立つね。

涼太:ああ、ありがとう・・・はい?りょーくん?

裕輝:あ〜、気にすんな。こいつ、ダチになった奴には奇妙なニックネームつけるんだ。

夏姫:奇妙じゃないでしょ?裕くんは裕輝だから裕くんだし、りょーくんは涼太だからりょーくんでしょ?

裕輝:あ〜、ハイハイ。んじゃ、教えてくれ。

涼太:・・・ったく、仕方がないな。



と言って自分の席に座って裕輝に勉強を教え始めた。これが俺とアイツらの初めての会話だったが、それを見ていた人物が一人いた。





?:桐谷涼太・・・か、なかなか面白そうな人物だな。





その生徒の机の隅に置いてある教科書には彼の名前が書いてあった。




『赤西正義』と・・・