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Re: 彼は天邪鬼 【オリキャラ募集中】 ( No.131 )
日時: 2013/06/16 16:12
名前: 莉遠 ◆gX.y9FxA6g (ID: gYu/uyWc)

NO.23『君たちだけだ』


女の子:やあ、久しぶり、桐谷くんに桐谷ちゃん?君たちがここへ来ることは心から待ち続けたよ。


ここはどこかの神社の境内と思われる場所。そこにある可憐な少女が座っていて、その目の前には涼太と涼子がいる。もちろん、これは夢だ。現実で涼太と涼子が一緒にいることはあり得ない。彼らは同じ人物なのだから・・・

時々夢を見る。本当にたまにだ。神社の境内に女の子が現れて、なぜか涼太と涼子が一緒に存在する。そして一番奇妙なのは、起きたときに2人とも同じ夢を見ていると言っていることである。


女の子:やっぱり君たちはすごいよね、体育祭でまるでキーマンのように扱われている。容姿端麗、文武両道の上身体能力にも優れたパーフェクト人間。いや、君は人間じゃなくて天邪鬼・・・かな?

涼子:あのさぁ、君のことは昔から夢で見てるけど、いい加減名前くらい教えてくれない?

涼太:俺は何のために夢に出てくるかの方がずっと気になってるけどな。

女の子:まあそう焦るな。また君たちが目覚める頃には俺は君たちと話せなくなるんだ。もっと楽しい話しようよ。


一人称が俺っていうちょっと変わった・・・、いや、ミステリアスな女の子だ。


敦とかと話しても同じことを言っていた。たまに不思議な雰囲気で一人称が俺という少女が神社の境内に現れ、その場には敦だけでなく、敦子も一緒にいる夢を見ることがあると。だからこう言っておこう



天邪鬼の性質その3:ある少女の不思議な夢を見る



女の子:けど、俺は今まで色々な天邪鬼を見てきたけど、君のようなパーフェクトパーソンもとい、パーフェクト天邪鬼は異例だ。天邪鬼だって欠点はある。たとえば・・・


女の子は頭を指でトントンってたたく。


女の子:頭。天邪鬼には特殊スキルを除けば頭の良さは関係ない。例えば君の知ってるあの子がいい例だ。


あの子・・・はまた今度わかるとして、問題は特殊スキルの話だ。それは天邪鬼の性質その4なのであるが、またそのスキルを発揮した時にその話をするとしよう。



女の子:そして・・・もう一つは、心。


と言って胸に手を当てた。


女の子:天邪鬼といえど心は普通の人間。その多くは人から異常と言われ続け、荒れた心を持っている。君も昔は荒れていたようだけど、今はとても澄んでいる。つまり、君は色々な天邪鬼の中でも見ていて面白い。ここまで成長したのは君・・・いや、君たちだけだ。


涼子:それが何よ。ていうか話そらさずに名前くらい教えなさいよ!

女の子:うん?俺のことはイザナミと呼べと言ったはずだぞ?

涼太:ということは本名じゃねぇんだろ?胡散臭い女だな。

イザナミ:君はこんなに可愛いくて可憐な美少女を胡散臭いというのか?イケメンが言うセリフじゃないぞ。

涼太:自分を可愛くて可憐な美少女なんて言うやつは大抵性格ねじ曲がってるんだよ。

イザナミ:時間だ。

涼子:ちょっと待ってイザナミ・・・



ハッ



目覚めた。今、体には涼子の意識が宿っている。



またあの夢だ・・・神社の境内でイザナミと名乗る不思議な少女と会話するだけという夢・・・




時刻は7時過ぎ、土曜日、つまり休日。涼子にしてはかなりの早起きをしてしまったのである。



とりあえず朝食を食べ、着替えなど、身支度をしたら外に出た。どこへ行く予定もない。ただの散歩だ。



女性:すいません、ちょっとお話いいですか?私はモデルの事務所の者で・・・あまりにお綺麗なので少し・・・

涼子:いや、興味ないんで・・・ごめんなさい。


外へ出て、10分弱でもうスカウトにあった涼子。さすがは美人さんなのである。


だが、実際涼子はモデルに興味はあったのだ。オシャレは大好きだし、何より自分自身ファッション雑誌が大好きなのである。

ただ、自分は裏世界の人間・・・いや、それ以前に天邪鬼なのである。涼太もそうなのであるが、うかつにそういった目立つ仕事はできないのである。

別に天邪鬼が嫌なわけじゃないけど、もし人間として生まれてきたら・・・と考えることはある。だけど仕方ない。自分は天邪鬼として生まれてきたのだから。


そうやってボーっと歩いていると、ある女の子がランニングをしているのを見かけた。見覚えがあるのだがあれは・・・



涼子:あ・・・(涼太の同級生の沢田華ちゃん!

華:あ!えっと、こ、この間は・・・その、ど、どうも

涼子:あ、朝からランニングだなんて健康的なんだね。

華:違います。体育祭でじゃんけんで負けてリレー競技になっちゃって・・・、足引っ張らないように頑張ってます。

涼子:努力家なんだね。


それより、華はそんなに運動神経がよくないように見えた。ていうかランニングは長距離のためのものであり、体育祭では短距離であるリレーとは違う。練習方法がそもそも間違っているし、フォームを変えた方がいい。

と、パッと見ただけですぐ色々指摘すべき点を発見してしまった。事実、涼子も運動神経は抜群なのである。


涼子:・・・今日暇?

華:はい?え、ええ・・・特に用はないですけど・・・

涼子:手伝ってあげる。そんなフォームじゃ努力してても一生伸びないから。とりあえず、まず近くの公園に行こっ。

華:え?は、はい・・・ありがとうございます。


涼子は華の手を引っ張って公園へ連れて行った。なぜだか涼子は華のことを放っておけなかった。





続く