コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 彼は天邪鬼 【オリキャラ募集開始】 ( No.16 )
- 日時: 2013/05/23 20:27
- 名前: 莉遠 (ID: 9NSOECiE)
NO.5『私にはどうでもよかった』
昼休みが終わり、C組に戻った華。B組の女友達の話が気になってしょうがない。
“一体誰ならいいんだろうね?”
可愛い女の子でも運動神経抜群な女の子でも、頭のいい女の子でもそれらすべてを備え付けた女の子でもフッている。
彼とは違うクラス、同じクラスになったこともない。だから、どんな性格なのかもわからない。
不安なんだ・・・・得体のしれないものを好きになってしまったかもしれないということを
華:はぁ、なんで一目惚れなんかしちゃったんだろう・・・
図書室。華は数学の参考書を探していた。あの話を聞いた後の授業、ほぼ上の空だった華は全く聞いてなかった。ゆえに、まったくわからなかった。
そして華は友達がそこまで多い方ではないのもまた一因である。昼休みにB組にいた時点で、C組に問題を質問できるような友達がいないということなのであった。
ゆえに、参考書を探していた。
華:え〜っと、数学Ⅱ、微積分微積分・・・・あ、あった!
手を伸ばした。おそらく、読者のみなさんはもうわかっているだろう。このタイミングでこの話の流れで本に手を伸ばす。ベタな展開だとこの後・・・
その手が誰かの手と当たった。
華:あ、ご、ごめんなさい!
とその手の方面を見た。旭野高校男子制服が見えた。理由はその彼が背が高いからだろう。そして顔を上げた。
彼が・・・・私を見てた。
私が・・・・・彼の視界に入った。
華:え、あ、えっと・・・
顔が真っ赤になった。あの桐谷涼太くんが、頭はキレ、運動神経抜群、容姿端麗の学校1のモテ男、桐谷涼太くんが・・・私を・・・
涼太:あ、すいません。別にいいッスよ、これ、友達に頼まれたものなんで。って、大丈夫ッスか?目の焦点が俺と合ってないけど・・・
華:あ、ああ、ああああ!す、すいません!
涼太:え?別に謝らなくても・・・
華:すいません!すいません!
涼太:あ、ちょっと?
華は思わずその場から立ち去ってしまった。嬉しかったはずなのに・・・、自分の存在をアピールするチャンスだったのに・・・と考えていると目の前がボヤけていた。
・・・・・・・・涙だ
やっぱりこんな私なんかに、彼を好きになる資格などなかったのだ。何の躊躇いもなく本を差し出した彼を得体のしらないものと考えてしまっていた私には。
翌朝、2年C組
華はぶっちゃけ意気消沈していた。もう恥ずかしくて学校に行きたくもなかったが、そこは真面目なのでちゃんと行った。だがモジモジしていたので時間ギリギリだった。
真面目を取り除いたら私には何が残るの?いや、何も残らないか・・・、どうせ時間ギリギリだから真面目でもないし、どうせ私なんか・・・
涼太:よ、沢田さん?
目を疑った。ここは2年C組、そして彼が座っているのは私の席。勿論、今彼はこのクラスの注目の的であった。
涼太:いや、本、取らずに帰っちゃったからさ。だからその上履き見て、このクラスで待ってたわけ。
そして華の上履きを指さした。真面目だからきちんと名前を書いていた。
『2年C組・沢田華』
涼太:ハイ、どうぞ。けど俺名義で借りちゃったから、いらなくなったらA組まで返しに来てくんない?じゃ、よろしく。
と本をポンっと渡してクラスを去った。
女子C:ちょ、すごいじゃん沢田さん!こんな形で桐谷くんと関係性をもてるなんて!
そんなこと私にはどうでもよかった。
彼が私の名前を・・・私の存在を覚えてくれていた
続く