コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 彼は天邪鬼 【今日は裕輝の誕生日!】 ( No.164 )
日時: 2013/06/24 18:29
名前: 莉遠 ◆gX.y9FxA6g (ID: Bz8EXaRz)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode

久利生裕輝誕生日、150スレッド突破記念


another story NO.2『久利生裕輝』



?:裕輝!起きなさい裕輝!もう夏姫ちゃんが迎えに来てるよ!もうっ、入学式から遅刻する気?

裕輝:あ〜、お袋、今春休みだろ?

裕輝母:今日から学校よ!折角スポーツ推薦枠とはいえ夏姫ちゃんと同じ高校に受かったのよ!しゃきっとしなさい!

裕輝:お袋、朝食〜

裕輝母:食べる時間なんてないわよ!



今日は1年前の4月、つまり葵高校入学式。

俺はバカだけど運動神経は超いい。だからスポーツ推薦であっさり夏姫と同じ高校に受かることができた。


夏姫:も〜裕くん!入学式早々遅刻しちゃったらどうしてくれるのよ!起きるの遅すぎじゃん!

裕輝:じゃあさっさと先に行っちまえばよかったじゃねぇかよ!

夏姫:私が来なかったら下手したら本当に裕くんが遅刻しちゃうと思ったから!もー、相変わらず子供なんだから!



この日、俺は高校生になった。夏姫とは同じ高校に行けたが、桐谷は東京の中で1,2を争うくらい優秀な高校に行き、赤西は大阪に行き、まあとりあえず皆とばらばらの高校に行った。



裕輝:オイ、なんで俺はまたお前と同じクラスなんだ?

夏姫:こっちの台詞よ!なんで小学校からずーっとアンタと同じクラスなのよ!

裕輝:あれじゃねぇか?誰かがなんか小細工してんじゃねぇのか?

夏姫:誰が何のために?

裕輝:・・・さあ?


たまにある、こういう偶然。実際皆さんでもずっと同じクラスみたいな人一人はいてもおかしくないだろう。だが高校まで一緒となると相当な確率ではあるが・・・


夏姫:裕くん。裕くんってさ、自分のこと、今どう思ってる?

裕輝:どうって?

夏姫:言ってたよね、昔。俺たちを理解できるのは俺たちであり、絶対に人間が俺たちを理解出来ることはない。だから本当のダチなんてできるわけねぇ。って・・・

裕輝:ああ?あ〜・・・言ったな〜。

夏姫:昔の友達は高校ではもういない。だからもしそんな考えだったら・・・

裕輝:ダチは出来ねぇ・・・か



夏姫の意味深な発言。今ので読者の過半数がわかったと思うのだが、正式なる発表はまた今度である。


裕輝:大丈夫だよ。なんせ、俺たちを理解できるのは俺たちだけじゃねぇからな。

夏姫:そうなの?

裕輝:そうだよ。だって、お前は俺のこと理解してるじゃん。

夏姫:え・・・


一瞬夏姫は顔を赤らめた。そして裕輝のおでこに手をかざした。


裕輝:な、なんだよ・・・

夏姫:ひ、裕くんがそんなこと言うんなんて熱でもあるんじゃないかと思って!

裕輝:ねぇよ!熱なんて・・・

夏姫:じゃあ!


と言って夏姫は自分の頬をつねった。


裕輝:何してんの?

夏姫:これは夢なんじゃないかって!でも痛いからこれは現実だね!

裕輝:あったりまえだろ!お前頭いいのにバカだよな!

夏姫:それじゃあ・・・


と言って今度は裕輝の頬を引っ張った。


裕輝:てんめぇ!何すんだ!

夏姫:裕くんが偽物かと思ったけど違うみたいだね。

裕輝:お前のその天然はいつまで続くんだよ。そろそろやめろ!HR始まるぞ!




帰り道




夏姫:ねぇ、裕くん、今日辻屋によってかない?入学祝にケーキ食べようよ。

裕輝:なんでぇ。おごってくれるのか?

夏姫:まさか、そんなわけないじゃん。一緒に行こうよ。それとも何か用事でもあるの?ないならいくよ!



と言って2人は辻屋へ行ったら・・・



敦:モグモグモグ。ん?あー、リュウくんに岸谷ちゃん。久しぶり。

裕輝:お前・・・食いしん坊なのは知ってるけどこりゃ食いすぎだろ?お金はどっから出てんだ?

敦:俺のお小遣い〜


敦の机にはケーキが5,6個置いてあってそれをモグモグ食べていた。そういえばこの小説でこの3ショットは初めてである。

後ちなみに、リュウくんとは久利生(くりゅう)のリュウであり、another story NO.1のNG集>>108のように、男子の名前をアカくんやリュウくんなど、「(2文字)くん」と呼ぶ。ちなみに涼太はこの法則にしたがってキリくんである。


夏姫:え〜っと、あっくんはどこの高校だっけ?

敦:東京1ランチがおいしいと話題の高校だよ〜

夏姫:流石すぎる!あっくんはもう友達できた?

敦:ん〜、わかんない。だけど急がなくてもそのうちできるっしょ〜。



敦子の時もそうだったが、敦にはなぜか人を安心させる力を持っている。少し友達のことで心配していた久利生と夏姫はその気持ちが一瞬でとんだ。



敦:それより2人とも〜、ケーキ食べたら〜?オススメはこのチーズケーキだよ〜。

裕輝:こんだけ持ってるんだったら一つくれよ。

敦:え〜、やーだよっ!




俺の名前は久利生裕輝。変な奴だが村上なり桐谷なり、そこそこ友達はいる。学校生活はそこそこ楽しんでいる。



そして・・・俺はいつになったら夏姫離れできるのか心配になってきた日である。





続く