コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 彼は天邪鬼 【アンケートお願いします】 ( No.195 )
- 日時: 2013/07/04 18:51
- 名前: 莉遠 ◆gX.y9FxA6g (ID: gYu/uyWc)
30話突破記念
another story NO.3『村上敦』
カチッ、カチッ、カチッ、ジリリリリリ!
敦:むっ、むい〜・・・。けど起きなきゃ・・・
敦は目覚まし時計を止めてむくっと起き上がった。時間は5時半、食いしん坊で緩いという性格から超意外な早起きである。歯磨きをして、身づくろいをして彼が向かったのは台所。
眠そうな顔をしながらキュッとエプロンをしめて、彼は料理を始めた。実はこれは彼の日課であり、ほぼ毎日続けていることなのである。
トントントントン・・・
そしてその30分後、ある女の子も起きてきたようだ。
?:あんちゃんおはよう・・・ってアレ!?あんちゃんダメだよ!今日は私が皆の朝ごはんとお弁当は私が作るって言ったのに!
敦:ん〜、あ〜・・・そんなこと言ってたっけ?
?:そうだよ、あんちゃん今日は入試なんでしょ?そんなことやってる場合じゃないよ!ほら、代わるよ!
敦:ん〜、麻友って料理できるっけ〜?
麻友:で、できないけど〜・・・今日はあんちゃんのために頑張るの!
今日は敦の高校入試の日である。それなのに朝ごはんと皆の昼の弁当まで作るという、意外としっかりした男なのである。
そして敦は麻友と料理を交代し、単語帳見始めた。だが、すごく麻友はあたふたしていたため・・・
敦:麻友〜、やっぱ代わるよ?
麻友:あ、あんちゃんは黙ってて!私がやるんだから・・・!
?:敦あんちゃんおはよう!
とまたガキどもが3人くらいやってきた。そう、実は敦は最近では珍しい5人兄弟の長男なのである。ちなみに名前は長女から順に紹介していくと麻友、優大、莉斗、由紀である。ちなみにすべてAKB系列からの名前が由来である。
莉斗:あれ?今日麻友ねぇちゃんがご飯作ってるの?大丈夫?
麻友:失礼な!わ、私だって頑張れるよ!
由紀:敦あんちゃんのごはんがいいよ〜。それか敦子ねぇちゃんのごはんがいいよ〜。
優大:由紀、今日はあんちゃん大事な日なんだ。少しでもゆっくりしてもらわないと・・・
最終的には結局敦が手伝い、無事全員分の朝ごはんと弁当を作り終えた。こうなっている理由は父親が職業上海外飛び回ってる+母親水商売(!?)という身勝手な親のせいである。だが両親は一応働いているため、これだけの大家族のわりにそこまでお金に困ってはいない。
そして入試会場へ行く前・・・電車にて
涼太:あれ?村上?お前この線だっけ?
敦:キリくんこそ。キリくんの受ける高校って確かキリくん家の徒歩圏内じゃないの?
涼太:いや、そうなんだけど・・・その前に神社行けって母さんに言われて・・・
敦:な〜るほどね、だからこんな家近いのに結構早めに出てるわけだ
涼太:お前も早いよな。学校結構遠かったっけ?
敦:ん〜、予定の1時間前には絶対着こうと思って
涼太:お前・・・性格緩いのに時間にはスゲェキッチリしてるよな。
そう、それが村上敦なのである。
敦:え〜受験番号32番、村上敦です。
試験官:はい、ではおかけになってください。
面接ナウである。
試験官:では、あなたはなぜ本校に入学することを希望されましたか?
敦:学食がおいしいと聞いたからです。
は?
試験官はお互いに顔を合わせた。
敦:食事がおいしいと勉強もはかどります。普通の勉強設備だけでなく、学食という細かいところまで気を配ってるこの学校を素晴らしいと思ったからです。
なるほど・・・
面接でも敦節は健在。後半部分は少々盛ってはいるが、学食がおいしいというのは最大の理由。よって、彼は素直に言っている。
麻友:あんちゃん!あんちゃんの受験番号何番だっけ?
敦:32番。
莉斗:よーっし!俺が一番最初に見っつける〜!
由紀:ダメ!私が先に見つけるんだから!
敦:ん〜、32番って最初の方だからあるかないかはすぐわかるんじゃない?
1,3,7,8,9・・・,28,29,32!
優大:敦あんちゃん!あったよ!32番!ほらアレ!写メろうよ!
敦:ん〜、別にい〜よ。
麻友:もっと嬉しそうにしてよ。ここの学校、結構いいとこなんだから・・・
敦:みんなのオーバーリアクション見てたら・・・なんか・・・ノリそこねた。
麻友:もー、あんちゃん!しっかりしてよ!
緩いがしっかり者。そんなあべこべの性質を持つ彼が、ある意味一番天邪鬼なのかもしれない。