コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 彼は天邪鬼 【オリキャラ募集開始】 ( No.21 )
日時: 2013/05/23 21:15
名前: 莉遠 (ID: 9NSOECiE)

NO.6『今日は勝負なの!』


華の件が(涼太の知らぬ間に)一件落着したその日の放課後。いつも通りすぐに家に帰り、涼子と代わろうとしたのだが・・・

?:ちぃと待て!

ホームルームも終わり、一目散に家に帰ろうとした涼太(とついでに古畑)に待ったをかけた少女がいた。いつ着替えたのかしらないが、もうスポーツウエアに着替えている。

涼太:何?何か用?

?:アンタ、昨日頼んだ本はどうなった?

昨日頼んだ本・・・つまり、華に貸してしまった数Ⅱ微積分の参考書である。

涼太:ああ、他の子が欲しそうだったから先に貸しちゃった。ごめんね〜。

?:何やっとるん?ウチが頼んじゃのにどうして他の子に渡してしもぉたん?

慎二:おい、美砂、女子なんだからもう少し可愛げのある言葉を使ったらどうなんだ?


彼女の名前は瀧原美砂。同じクラスで、滅多にいない涼太と普通に会話をする女子なのである。


美砂:まったく、これじゃけぇモテる男は嫌なんでの。それより桐谷、また女の子フッたんだって?また噂が広まっとるよ。

涼太:誰がそんな噂を広めてるんだか・・・、てか、見当はついてるけど。


とギロッと慎二をにらむ。実は大抵こういう噂を広めているのは慎二なのである。最初に噂を流すのは彼ではないが、友達が多くすぐに情報が入り、そして決めつけは口が軽い。

そんな友達が多い慎二が色んな意味で学校で浮いている涼太とよくつるんでいる理由は勿論あるのだが、それはまた別の話。今回は広島弁の新登場人物、瀧原美砂の回なのである。


美砂:まあええや。桐谷、参考書持ってこなかったお詫びにウチに勉強教えて。

涼太:いや、これから予定あるし・・・てか!勉強教えてもらうのになんでスポーツウエアでいるの!

美砂:当たり前じゃ。勉強はスポーツ。スポーツの正装はスポーツウエアじゃろ?

慎二:どこの松岡修造?


だがまあ参考書を持ってこなかったのは事実。涼太は言い逃れをするのは面倒くさいと見て、とりあえずトイレに行ってからだと言ってトイレに行った。

まあそこでするのは涼子との会話だ。


涼子:ちょっと!今度こそ私は特性シュークリーム食べるのよ!変な約束しないでよ!

涼太:仕方ねぇじゃん、てかあんま大きい声出すなや。不審に思われるだろうが!


スマフォを出しているので、携帯で電話しているように装ってはいるものの、トイレでしている時点で明らかに変人だ。運よく今は誰もいないが・・・


涼子:とにかく、明日にして。今日は勝負なの!

涼太:へぇへぇ、わかりましたよ。



そしてA組に戻ってきた。



涼太:無理だ、やっぱ今日は予定がある。

美砂:ふざけるの!約束と違うじゃん!

慎二:いやいや、約束してねぇよ。美砂が一方的に桐谷にすがってるだけにしか見えねぇよ!

美砂:だって桐谷はこの間テストで学年3位じゃったんじゃろ?

慎二:補足すると、この間の模試は学年1位だった。

涼太:余計なこと言うなよ!とにかく!今日は帰る!明日なら付き合うからまた明日な!


と言って強引に帰宅した。



美砂:うーん、慎二はバカじゃけぇ、慎二に頼むわけにもいかんしの〜。


ちなみに慎二は成績は下から数える方が早いほどのバカ。部活は卓球部である。


美砂:明日だと慎二は部活動があるから今日じゃのぉたら一緒に勉強でけんのに・・・


とボソッとつぶやいた。桐谷涼太が脚光を浴び、常に女子にモテる中で、彼女は珍しくその影となっている古畑慎二のことが好きなのである。まあそれも理由があるのだが・・・



慎二:ん?なんか言った?

美砂:何でもなぃんじゃ!


恋することだけは強気じゃなく、ただの女子高生なのである。涼太が帰ってしまって、慎二もともに帰ってしまった。

あー、空気読め!と心の中でつぶやいたあと、今度は実際につぶやいた。


美砂:今日は水曜日か。しゃぁないから・・・・・






———辻屋のシュークリームでも買いに行くか





嫌な予感!





続く