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Re: 彼は天邪鬼 【更新再開&同窓会篇スタート!】 ( No.222 )
日時: 2013/07/27 18:42
名前: 莉遠 ◆gX.y9FxA6g (ID: gYu/uyWc)

NO.32『すいませんでした』


裕輝:あ、来たな。遅いぞお前ら。待ち合わせ時間の5分前には来いよ。

夏姫:何言ってんの、普通に寝坊してたくせに。ほら、鏡とくし貸してあげるからその寝ぐせ直しなさいよ。


一同は残る3人にあった。その3人とは裕輝と夏姫、そして玉山と思われる眼鏡の青年であった。ていうか17歳って少年なんだろうか、青年なんだろうか。そして眼鏡にした理由は単にアイデンティティを与えたかっただけだったのだ。


そしてその青年の名前は『玉山蔵之介』。勿論天邪鬼である。


涼太:ま、ちゃんと8時には来たからいいじゃん。カリカリすんなって。

蔵之介:だが、なんでお前たち4人はともにいたのだ?しかも赤西まで。

智:赤西くんがまた世間知らずなことをしたので少し説教しました。

蔵之介:ふん、やはり赤西はバカなのだな。いや、成績はいいのだが思考がバカだ。

正義:蔵之介。



その一言を言った瞬間空気が一気に冷めついた。そしてさっきまでの優し気の目が一気に冷徹な目に変わっていた。



正義:いい加減にしろよ。智、テメェもだ。




すいませんでした!





蔵之介と智だけでなく、涼太たちも全員土下座した。




涼太:アイツ、相変わらずドSなのな。

智:ドSっていうか・・・腹黒いです。

裕輝:それ、お前が言うことか?正直このメンツで一番腹真っ黒なのはテメェだぞ。

智:久利生君は腹の中じゃなくて腹の外が真っ黒ですよね。



赤西正義は2重人格である。いや、少し語弊がある。

彼は天邪鬼であるため、元から男子の人格と女子の人格を涼太同様持っている。この2重人格っていうのは正義だけの話だ。

正義は温厚で少し世間知らずな優しい性格の裏で、少しキレたら相当な冷徹なドS人間になるということ。すなわち、赤西は3重人格と言うスッゲェややこしい人間、いや、天邪鬼である。



正義:よろしい、それでは行こう。ちゃんと入園前に並んでファストパスを手に入れる。ファストパスを取りに行くのは・・・涼太、裕輝、頼むぞ。お前たち2人がこの中では一番足が速いだろう。

裕輝:よっしゃ腕が・・・いや、足が鳴るぜ!桐谷!どっちが先にスターツアーズに行けるか勝負だ!

涼太:悪い、一つ聞いていいか?


ふーっと息を吐いて言った。


涼太:ファストパスって何?






これから彼らはディズニーランドで遊ぶのだが、その出来事はそんなに深く掘り下げて説明するつもりはない。今回、同窓会篇のように「〜篇」と大々的に取り上げているのだ、ただの高校生の遊びを述べても何にもならない。



この同窓会の中でとある事件が起きるのである。






夏姫:もうそろそろ入園だよ!裕くん、りょーくん!準備はいい?

涼太:とりあえず、俺は久利生に付いて行けばいいのか?ファストパスって何だ?スターツアーズって何だ?俺ディズニーランド初めてだからわかんねぇよ。

敦:キリくん、今どきの東京在住の高校生でディズニー行ったことない人少ないと思うよ〜。

涼太:だって、大抵涼子に譲ってるから・・・

蔵之介:むっ、そうこう言っている間に人が動き出した。きっと時間になったのだ。桐谷、久利生!行ってこい!

裕輝:おっしゃ!はぐれんなよ桐谷!ディズニーランド初心者なんだからよぉ!

涼太:勝負するって言ってたくせに。

正義:つべこべ言ってねぇでさっさと行けよ。





すいませんでした!






そして一同はファストパスを取ったりスペースマウンテン乗ったりパレード見たり色々した。そして夕方、一同はショッピングをしていた。




夏姫:裕くん裕くん!このミッキーのカチューシャつけてよ!ほら、私のミニーのカチューシャとおそろい!

裕輝:ああ?嫌だよ、お前とおそろなんて。

夏姫:裕くんじゃなくて、裕ちゃんにつけてもらうの。

裕輝:ああ、そうか。だけどよぉ、それって俺がつける意味あんのか?



智:村上君、お菓子どんだけ買うんですか。

敦:ん〜、有り金全部〜。



みたいに皆自由に好き勝手買い物をしている。皆キャッキャ騒いでいるときにある人物がとんでもないことを言った。



正義:あ、貴様ら。今日はホテルで宿泊だから服買っておけ。






は?






涼太:ちょっと待て!どーいうことだ!

正義:服の代金なら僕が持つ。


と言って正義は財布の中から黒いクレジットカードを出して言った。


涼太:そういう意味じゃなくて、泊まるってこと!

正義:ああ、ミラコスタを予約しておいた。3部屋。勿論代金は僕が持つ。・・・まさか!


正義は財布をしまって言った。


正義:一人一部屋の方がよかったか?すまない、これ以上部屋が取れなかった。

涼太:そういうことでもないから!そういう大事なことは早く言えよ!

敦:ミラコスタ・・・ごはん・・・・じゅるっ。

正義:ていうか、僕は家出をしたんだ。





は?





さっきからなんか突拍子もないことばかり言ってんだけどこの人。







智:えっと、整理すると赤西くんは泊まるホテルを僕たちの分まで取った。また、夏休み利用して家出で東京に居座る。そういうことですか?

正義:その通りだ。






そう、この赤西の家出。それがあの厄介ごとを招く一因となるのだ。






続く