コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 彼は天邪鬼 【オリキャラ募集+同窓会篇スタート!】 ( No.252 )
- 日時: 2013/08/05 18:08
- 名前: 莉遠 ◆gX.y9FxA6g (ID: gYu/uyWc)
NO.37『とんだ災難だったな』
ここは病院。あの後、涼太は病院に運ばれた。
その廊下を今、涼太の姉・桐谷美里が走っている。そして目的の場所に着いたようで、とある病室の外には正義、裕香、蔵良が立っていた。
美里:ハァ・・・ハァ・・・!涼太は!涼太は無事なの!?
正義:涼太のお姉さん。ここは病院です。気持ちはわかりますがお静かに。
と言って人差し指を口に当てた。
美里:あ、そうね・・・えっと・・・・・・
正義:赤西です。今、この部屋で治療中です。まあ涼太なら大丈夫でしょう。彼は体質上、相当丈夫なんで。ただ、普通の人間なら確実に即死でしたね。
裕香:何ヘラヘラしてんだテメェ!
と言って裕香は正義をぶん殴った。その反動で正義は尻をついた。
裕香:テメェが変なことにツッコんだんだろーが!涼太がもし死んだその時!それはお前が死ぬときだコルァ!
蔵良:そうよ!アンタ・・・覚悟はできてるんでしょうね!私の涼太をこんな目に遭わせといて生きて帰れると思ってんじゃないでしょうね!
正義:痛たたたた!蹴るのやめてくれないか!Sはいじめるのは好きだけどいじめられるのは嫌いなんだ!ガラスのハートなんだ!諸刃の剣なんだよ!
美里:あの、皆うるさいよ。ていうかそこの眼鏡の娘、涼太はあなたのものじゃないから。姉の前でそういうこと言わないでくれる?
構わず尻をついた正義を蹴り続ける女子二人。そしてそうしてると病室の扉がガラっと開いた。
医者:えっと、涼太くんの家族ですか?
美里:あ、ハイ!涼太の姉です。母と父は来るにはもう少しかかるようですが・・・涼太は無事ですか?
医者:ハイ、一命はとりとめました。もう大丈夫でしょう。
裕香:マジか!流石涼太だ!
一同は病室に入った。涼太は頭に包帯が巻かれていて、ベッドで寝ている。まさに天使の寝顔。って言っている場合ではないのだが・・・
蔵良:全く心配かけさせて・・・・・・
裕香:おーい、鼻血出てんぞ〜。このイケメンの寝顔見て変な妄想膨らませてんだろ?お姉ちゃんいるんだ、変なことすんなよ。
蔵良:しないわよ!全く!それよりお姉様、お父様とお母様遅くありませんか?この事件が起きてから結構時間経ってると思うんですけど。
美里:お姉様?何この娘。鼻血気にしなさい。女の子なんだから。
と言って蔵良にティッシュを渡して言った。
美里:お母さんはちょうど奥様仲間で旅行行っててね・・・今向かってるわ。お父さんは・・・多分来ないわ。あの人は・・・・・・
裕香:その先に言わなくていいよ。なんかわかるから。天邪鬼の宿命・・・だろ?ウチも昔そうだったから。
正義:・・・・・・
桐谷家族は昔、涼太だけやはり浮いた存在になっていた。別に育児放棄をしていたとか無視していたとかではない。だがどこか腫物扱いされていたのである。
そこを前にも言ったように、ある人物により母親の美奈、姉の美里は考え方を変えたのである。だが父親はいまだ負い目があるのだ。
蔵良:それより、他の人には連絡したの?
正義:ああ、一応同窓会メンバーを集ったが来たのはお前らだけだ。あ、お姉さんもですが他人には教えないようにしてくださいね。
美里:え?なんで?
正義:あまり騒がれるべきではないからです。どういうきっかけで天邪鬼だとバレるかわかりませんからね。天邪鬼だと知る人間以外には内密にした方がよいかと・・・。マスコミも赤西グループが圧力かけてこっちには向かないようにしてるんで。
裕香:うわっ、さっすがボンボン。
う・・・・う・・・ん
涼太の指がピクッと動き、瞳を少し開けた。
涼太:いっつ・・・
美里:涼太!無事ね!よかった〜〜〜!
裕香:ま、お前が早々死ぬなんて思わなかったけどな。こういう小説では主人公は死なないってのは鉄則だ。
正義:さらっと言っちゃいけないこと言ったね、ガングロ女。
涼太は頭を手で触り、ベッドの前で立っている正義たちを見て少し困惑した顔になった。
蔵良:どうしたの、涼太?やっぱり頭痛むの?とりあえず先生呼んだ方がいいかしら・・・
正義:すまない涼太。犯人たちを絶対しばけるとは思っていたがまさかお前があんなとんでも行動をするとは思わなかったのだ。人の心は予想できないな。
裕香:全く、とんだ災難だったな。
・・・・・・・・誰?
一同:は?
涼太:皆さん誰ですか?ここはどこですか?ていうか僕は誰ですか?
な、何ィィィィィィ!
蔵良:ちょっと!冗談でしょ!あなたは私の彼氏で結婚まで約束した仲じゃない!
裕香:さらっと嘘ついてんじゃねぇよ!え?何?これってジョークじゃねぇの?マジなの?なぁ涼太!
涼太:・・・・・・涼太?それが僕の名前なんですか?
いつものどこかしら余裕がある涼太と雰囲気がまるで違った。表情はとても困惑しており、余裕のかけらも見られなかった。
医者:そうだね、まあ頭を強く打ってたようだから、それで記憶がぶっ飛んだんでしょう。こういう小説とかドラマとかでよくあるあれですよ。
美里:いや、よくあるあれって何ですか。
医者:困りましたね。見たところ彼は本当に何も覚えてないようです。事故の前後どころか、自分の存在まで。
てことは・・・・・・・
こいつ!まさか自分が天邪鬼だということも忘れてるんじゃないのか!
続く