コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 彼は天邪鬼 【オリキャラ募集+同窓会篇スタート!】 ( No.263 )
日時: 2013/08/08 15:18
名前: 莉遠 ◆gX.y9FxA6g (ID: gYu/uyWc)

NO.40『誰なんだい?』


涼太:っつ・・・ゲホッ。

正菜:お、目覚めたか。大丈夫か?生きてるか?

敦:生きてるから目覚めたんじゃないの〜?


涼太は目覚めた。もう夜になっていて、そのうち花火があげられるため、人が増えている。


正菜:気分はどうだ?もう少し休むか?

涼太:・・・・・・変な夢を見た・・・んです。

正菜:夢?

涼太:浴衣を着たとっても綺麗な女性と・・・そう、ちょうどこのベンチで飴・・・リンゴ飴を食べていた夢・・・です。

敦:具体的な夢だね〜

正菜:・・・・・・




ドンっドンっ!




花火が始まった。その場にいた人は皆歓喜していた。


だが・・・涼太の目は悲しそうだった。




敦:・・・・・・どーなるんだかね、全く。キリくん、記憶戻るかな〜。

正菜:そのうちひょこっと拾うと言ったのは敦であろう。お前が弱気なんて珍しいな。

敦:う〜〜ん、やっぱりこんなキリくん見てると調子狂うんだよね〜〜。なんやかんやでウチらの中で一番人間っぽいのはキリくんだったでしょ?今のキリくんは・・・

正菜:それは違うぞ。確かに私たちの中で一番人間らしいのは涼太だ。だが一番人間を憧れているのも涼太。やはり涼太はどう足掻いても天邪鬼ということだ。

敦:ふ〜ん。あとはどうしようか?夏祭りじゃ思い出せなかったみたいだね〜。

正菜:・・・・・・さあな。キッカケはいくらでもある。気長に生活していくしかないんじゃないのかね。











イザナミ:よっ、桐谷くん久しぶり。君が窮地のようだったから会いに来たぞ♪

涼太:・・・・・・?あなたは?


ここはどこかの神社の境内みたいだった。そして巫女のような恰好をした可憐な少女が座っていた。紛れもないイザナミだった。だがそのことも知らない。

そして前回会ったときと違う点、それはそこに涼子がいなかったことだ。


イザナミ:桐谷ちゃんがいないのは寂しいけど、まあイケメンと会えただけよしとしなきゃな。


涼太:桐谷・・・ちゃん?

イザナミ:そうか、君は自分の正体を伏せられているんだな。なら、俺も余計なことを言うのはやめておこうかな。


涼太:あなたは・・・僕のことを知っているのですか?


こう聞かれたとき、イザナミは一瞬目を丸くした。そして再び不敵な笑みを浮かび、立ち上がって言った。


イザナミ:知ってるよ。君のことは何でも。だけど、奴のことは知らないんだ。俺はそれを知りたくて君に接触したんだ。

涼太:奴・・・?

イザナミ:君が夕べに夢見たあの女だよ。


いつも笑っていたイザナミが少し怖い顔になった。



イザナミ:俺は君の夢の中にならいくらでも現れる。人は自分の経験、脳に残った出来事を夢見る。だから俺は君のことはほとんど知っている。だがなんだあの女は?あの女は知らないよ。誰なんだい?

涼太:知らない・・・僕は知らないよ。

イザナミ:そうか、君は記憶喪失だもんね。でも、それにもかかわらず夢に出てくるということは、彼女の存在が脳裏に焼き付いているということ。それなのに俺は彼女の存在を知らなかった。なんだかショックでさ。



イザナミは涼太に近づき、邪悪な笑みを浮かべた。



イザナミ:あの女、ただ者じゃない。だ〜れだ?

涼太:・・・知りま・・・せん

イザナミ:・・・・・・あ、そ。ごめんね、恐がらせちゃって。多分俺じゃ君の記憶を思い出させるのは無理だから・・・赤西くんたちに任せるけど・・・記憶戻ったら教えてもらうから。あの女のこと。じゃ、まったね〜



イザナミは可愛らしく笑って手を振った。





そうしたら涼太は目が覚めた。涼太が記憶喪失になってからもう1週間が経った。


誰だったんだろう・・・あの子は。夢だった・・・だけど実際に会って話しているようだった。だけど・・・すごく怖かった。一体誰なんだろう・・・



敦子:おっはよ〜、りょーくん。今日は私が朝食作ってるよ〜

美奈:も〜、敦子ちゃんね。家から朝ごはん持ってきてくれたのよ。すっごくおいしそうよ。

敦子:こう見えて毎日ガキどもに料理作ってるからね〜。ハイ、座って座って。



ご飯とみそ汁、そしておかずをバイキング形式で取るような形になっている。まあ敦子のような大家族ならこういう式が一番早いんだろう。



美里:おいしそう〜。じゃ、いっただきま〜す!

涼太:・・・・・・

敦子:どーしたの?りょーくん。

涼太:僕は・・・普通の人間じゃないんですか?

美里:え?


一同は食べだそうとしたがやめた。そして涼太の方を向いた。


涼太:今日、変な女の子の夢を見たんです。巫女の格好をした・・・ちょっと怖い女の子の夢。

敦子:イザナミ?でもあの子・・・怖いっていう印象だったっけ・・・

涼太:あの子が言ってたこと・・・どうも夢物語って感じじゃなかったんです。いや、言っていることは夢物語でした。ですが・・・なぜか現実な気がして・・・

敦子:・・・・・・このタイミングでイザナミがりょーくんの前に現れた。

美里:ちょっと、イザナミって誰?

敦子:彼女・・・そろそろ動き出すのか?



イザナミとはいったい何者?







続く