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Re: 彼は天邪鬼 【オリキャラ募集】 ( No.305 )
日時: 2013/09/18 18:10
名前: 莉遠 ◆gX.y9FxA6g (ID: leOS3oG6)

NO.46『いつでも呼んでくれ』


取りあえず超異次元勉強会が始まった桐谷家の涼太の部屋。

普通に頭が悪いという意味のスーパー馬鹿・古畑慎二と久利生裕輝、そして頭のネジが何本か外れてるんじゃないか的意味のスーパー馬鹿・玉山蔵良、あとはスーパーパーフェクトイケメンの桐谷涼太と良識はあるのだが天然少女岸谷夏姫の計5人がいるのである。

ただスーパーパーフェクトイケメン桐谷涼太はもうキレている。そんな状況なのである。


蔵良:ねぇねぇ涼太〜、ちょっとこの問題わからないんだけど教えてくれない?

と言って蔵良は急に涼太に顔を近づけた。紛いなりにも整った顔立ちである蔵良、普通の男子ならドキドキするのであるが涼太は全くしなかった。

涼太:ハイ、じゃあ答え教えま〜す。えっと答えは『決して〜ない』です。ハイ勉強に戻りなさい。

蔵良:ちょ、態度冷たっ!も〜、涼太ったらツンデレなんだから!

裕輝:ツンデレはお前だろ。

夏姫:う〜〜ん、クーちゃん、りょーくんの前だけでは完全に乙女モードなんだよね。


ハイ、クーちゃんとは蔵良のことですよ。


慎二:でもさ、蔵良ちゃん可愛いよな〜。眼鏡っ娘も俺だいす・・・

蔵良:お前に好かれても何も嬉しくないんだよコルァ!


と言って顔面をグーで殴った。しかも思いっきり。おかげで彼は吹っ飛び、体だけでなく意識も吹っ飛んだ。


涼太:オイ、何やってんだよ人ん家で!つーかアイツ俺たちが天邪鬼ってこと知らねぇんだよ!

蔵良:ふん、気絶させたから大丈夫よ。

涼太:お前なぁ・・・

裕輝:桐谷。


裕輝はある物を涼太に投げた。それは鏡だった。


裕輝:まあいつもの俺ならここでボケ倒すんだけどよ、今回はマジで勉強やりたいからな。取りあえず蔵良には退散してもらおうぜ。

涼太:お前・・・


涼太は裕輝を驚いた顔をしてじっと見つめた。



涼太:大丈夫か?腹でも壊したんじゃないのか?

裕輝:失礼なこと言ってんじゃねぇよ!真面目に勉強しろっつったのお前だろうが!

蔵良:嫌よ!


蔵良は少し涼太から離れた。


蔵良:絶対蔵之介に体は譲らない。今日は私の日だもの!涼太の家に折角来たんだもの!このまま私と涼太は付き合って・・・

夏姫:クーちゃん、ごめん!


夏姫は急に蔵良の横まで行って自分が所持していた鏡を取り出し、蔵良の顔を映した。


蔵良:え?ちょ・・・

夏姫:ターくん出てきて!

蔵良:テメェなっちゃん覚えてろよコノヤロー!



鏡がピカーっと光り、蔵良がいたところには彼女の代わりに蔵之介がいた。



蔵之介:事情は解している。その・・・



眼鏡をかちゃっとかけ直した。



蔵之介:すまなかった。弁解の仕様もない。

裕輝:なんかよぉ・・・天邪鬼で一番性格が近いのは村上だが遠いのはお前らだよな絶対。

涼太:いやいや、玉山もただのツンデレだろ?

夏姫:そうだね。ひょっとしたらターくんも女の子に恋したらこんな風に・・・

蔵之介:ならん!ならんぞ!あんなストーカーみたいな変態には・・・





ピーンポーン




またインターホンが鳴った。



裕輝:オイ、今度は誰だよ?

涼太:ああ、出てくるよ。あ、玉山。お前はこいつ(慎二)が起きる前に家から出ていくことをオススメするぞ。

蔵之介:だな。ではお邪魔した。



と言って2人は玄関に向かった。そして背筋がヒヤッとした。あのインターホンの主は赤西正義だったのだ。



正義:やあ、蔵之介もいたのか。

蔵之介:あ、ああ・・・まあな。

涼太:お、おお・・・赤西。えっと・・・何の用?

正義:別れの挨拶だ。東京に来て一番世話になったのはおそらく君だからな。

蔵之介:当たり前だろ。お前の我が儘のせいでこいつは記憶喪失にまでなったんだからな。

正義:それはそうだね。



取りあえずキレさえしなければ彼は温厚なので今のトコは大丈夫そうだ。




正義:もう夏休みも終わるしね、学校もあるから大阪に帰ることにしたよ。それを言いに来ただけだ。

涼太:え?それだけ?

正義:何か悪いのかい?

涼太:あ、いや・・・


なんかまた面倒くさいことを言うのかと思っていたんで若干意外ではあった。


正義:今回のようにまた何かがあったらお前たちを頼るかもしれない。だから・・・



爽やかな顔をして彼は言った





“困ったことがあったらいつでも呼んでくれ”








俺たちは天邪鬼。人には言えない悩みがある。



だが、一人ではないのだ。













正義:(ふぅ・・・5時30分の新幹線に間に合うか・・・


と思いながら時計を見ながら歩いていたらある女性と肩がぶつかった。


正義:あ、すまない。ボッとしてて。

女性:ああ、構いやしねぇよ。


この男みたいな喋り方、まるで裕香みたいだと思いながらその場を去ろうとしたら・・・


女性:あ、なあ少年。お前、この辺に住んでる?

正義:いや・・・違うが・・・

女性:そうか、私はだいぶ前に来ただけだからな、道に迷ってしまったんだ。それなら別にいいや。



その時、正義は何も気にせずその場を立ち去った。そしてその女性はつぶやいた。






“涼太ん家ってどこだったっけな〜”












続く