コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 彼は天邪鬼 【総選挙開始!ご協力お願いします】 ( No.375 )
日時: 2013/10/16 22:50
名前: 莉遠 (ID: leOS3oG6)

another story NO.5 『岸谷夏姫』


私の名前は岸谷夏姫。現在17歳高校2年生。だけどあの頃はまだ中3の夏だった。

別に中3の夏に大きなイベントがあったわけじゃない。それに私は今までのanother storyの主人公だった人物とは違い、天邪鬼でもない普通の人間。あまり期待にお応えできるような体験はしていない。だけど、少し嬉しいことがあったの。



夏姫:え?もう学校行っちゃったんですか?

裕輝の母:ええ、なんかやることあるって言って珍しく目覚ましかけて自分で起きてね・・・折角来てもらったけどごめんね。

夏姫:アイツの我が儘に振り回されるのはいつものことなんで大丈夫です。じゃあ学校行ってきますね〜。


毎日のように寝坊する裕輝を引き連れて学校へ行くのが日課になっているのだが、この日だけは珍しく私を置いて彼は行ってしまった。




そして学校にて・・・



夏姫:も〜、裕くん!折角早起きしたんなら私も誘ってくれればよかったのに・・・

涼太:ああ、なっちゃんおはよう。ちょっと・・・な。

夏姫:ちょっとって?

裕輝:男同士の秘密だ。絶対言うんじゃねぇぞ、桐谷。

涼太:わかってるって。俺、こう見えてそんなに口は軽くないから安心しなよ。

夏姫:な、何よ・・・


男の子って隠し事があるとすぐに“男同士の秘密”とかよくわかんないこと言うのである。まあそれで貫き通せるところが男の特権だ。

まあそれはどうでもいいのだが、その後ろでとある2人が話していた。



正義:ふふ・・・放課後が楽しみだね、敦。

敦:アカくん〜なんか楽しそうだね。結構こういうのノリノリなタイプだよね〜。

正義:まあね、こういうのはノリが一番なんだよ。しかし裕輝もなかなかやる男ではないか。

敦:このanother storyの主人公はリュウくんじゃなくて岸谷ちゃんなんだけどな〜。



何か裕くん以外も、今日は皆なんか変だった。



夏姫:ねぇカミリン、今日の復習問題なんだけど・・・

智:復習ですか?・・・・・・えと、なぜ僕に?桐谷くんや赤西くんの方が頭いいのでそちらに聞けば・・・その、いかがですか?

夏姫:え?別に席が近かっただけだけど?

智:ああ、そうですか。


カミリンはなぜかあまり目を合わせてくれなかったし・・・



夏姫:ターくん!

蔵之介:な、なんだ!そんな大きな声出して!

夏姫:なんでそんな驚いてるの?ターくんを呼んだだけだけど?

蔵之介:そ、そうか。何の用だ?

夏姫:何の用って・・・今日ターくん日直だよ?だから黒板消してないよって言おうと思っただけ。

蔵之介:ああ、そうだったな。すまなかった。



な〜んか隠し事してる。カミリンはともかく、ターくんは隠し事があまり得意ではないみたいだ。



そして授業が終わり、放課後・・・




夏姫:ふぅ・・・今日も授業終わったね!裕くん帰ろう!

裕輝:ちょっと待てよ。帰るのはもうちょい後だ。

夏姫:え?なんで?




パンっ!パンっ!パンっ!




急にクラッカーの音が聞こえた。



夏姫:え?何?何?


クラスの皆:お誕生日おめでと〜〜〜〜〜!!!



そしてそのあと、廊下から敦が入ってきた。その手にはデカいケーキがあった。



敦:ハイ、岸谷ちゃん。これ俺が作った。

夏姫:え?え?本当に!?ありがとう!!!てかクオリティ高くね!?

敦:まあね〜ふふん。

正義:ま、今日はこういうために、裕輝は朝早く学校に行ったということだ。言いだしっぺは彼だからな。

夏姫:あ・・・



そういうことだったんだ。へ〜、あの裕くんがこんなことを・・・



裕輝:まあな、作者がお前の誕生日をすっかり忘れて気が付いたら10月になってた。あ、ヤベッとか言ってたからな。今回はこういう形になった。

涼太:何を生々しいこと言ってんだ。

夏姫:ありがとうね。裕くん。




ヒューヒューと周りの人は茶化す。



夏姫:な、なんでヒューヒューなの!?

智:え?このまま告白タイムじゃないんですか?

夏姫:んなわけあるか!

裕輝:そうだぜ全く。誰がこんなブスに告白するかってんだバ〜カ!

夏姫:ブスって言うな!



と言って夏姫は裕輝を引っぱたいた。けど・・・あの裕くんが私のために企画を練ってくれたなんて・・・それが一番のサプライズだよ。








高2の夏






夏姫:ひ〜ろくんっ!

裕輝:なんだ・・・その期待に満ちた目は・・・

夏姫:今日って何の日だと思う?

裕輝:・・・・・・・・・夏休みの終わりかけ。

夏姫:私の誕生日よ!プレゼント頂戴!

裕輝:ん・・・あ、そうか。ほらよ。


と言って裕輝は鞄から夏姫に小さな小包を渡した。



夏姫:わぁっ、何?何かすごくシャレてるじゃない?どうしたの?ねぇ、どうしたの?

裕輝:ほら、中見てみろよ。

夏姫:へぇ〜何だろう?



と言って中を開けたらその中にはカブトムシがいた。



夏姫:何・・・これ?

裕輝:何って・・・カブトムシ。わざわざ山まで行ったんだぞ。急にふとクワガタが欲しくなってよ、そのついでに・・・

夏姫:いるかァこんなの!

裕輝:ちょ、やめろ!テメェカブトムシぶん投げるなっ!あ!逃げるだろうが!オイコルァ!



この話を書いた後に気付いた。夏姫の誕生日は8月26日。まだ夏休みじゃねぇかということに。


設定としては、秋学期が早めに始まったって感じにしておいてください、マジで。