コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 彼は天邪鬼 【総選挙開始!ご協力お願いします】 ( No.393 )
- 日時: 2013/10/25 20:56
- 名前: 莉遠 (ID: leOS3oG6)
NO.54『大人気ねぇぞ』
涼太:え〜っと、堀田雅治。中川小学校2年生・・・ね。さあ警察行こうか。
雅治:や、やめてください!それだけはやめてください!
涼太:あのなぁ、ガキとはいえスリは犯罪なんだよ。いいか、犯罪していいのは牢屋にブチ込まれる覚悟があるやつだけなんだよ。
華:・・・いや、覚悟しててもダメですよ。
スリを行っていた少年、堀田雅治くんを捕まえた3人。無事、華の財布は戻ってきたが、問題なのは犯行を行ったのが小2の少年だということだ。
慎二:しっかし・・・お前よくこの子が犯人だってわかったよな。俺全然わかんなかったぜ〜、視界にも入ってなかったし。
涼太:俺だってわかってなかったよ。
雅治:ハァ?じゃあどうやって・・・てか一気に5個の財布を盗めるってすごすぎだろ!
涼太:ガキ。頭を使えばすぐわかるだろ?第一に炎泉の話では皆ポケットに入れてあったものを盗られたと言っている。十中八九安易な奴を狙ってくると見て、まずは俺の財布をポケットに入れておいた。勿論、念のために金を抜いてな・・・
華:・・・安易ですいません。
涼太:第二に俺たちは3人で喋って歩いていた。この状況は一番気が抜けている。第三に俺は自分に近づいてくる奴を全員犯人だと思って周りを見ていた。
雅治:ハァ!話に夢中だったじゃん!
涼太:まあお前は完全にさりげなく近づいたつもりだったんだろうが、チラチラ俺の財布見てたからな〜明らかだったぞ。
雅治:は、恥ずかしい!バレバレだったの!?じゃあじゃあ、どうやって財布を俺から盗ったの?
涼太:それは・・・・・・知らない方がいい。
ハイ、知らない方がいいということです。一瞬ダークな涼太が見えて一同は少しビビった。
雅治:あ・・・あの、師匠。
涼太:誰が師匠だ。何の師匠だ?スリか?スリなのか?絶対ならねぇぞ、俺は。
慎二:いや、お前のあれも一歩間違ったら犯罪だったぞ。
雅治:警察だけはやめてくれよ!俺、逮捕されるわけにはいかないんだ!
涼太:わかった、じゃあ取りあえず風紀委員のトコまで連れて行くか。話はそっから聞いてやるよ。
雅治:師匠・・・
涼太:ただ、ウチのクラスの風紀委員は超怖いぞ。ドSだぞ。ガキ相手でも容赦しねぇぞ。・・・・ま、死ぬなよ。
雅治:い、嫌ああああああ!!!
と言って3人は風紀委員のたまり場まで雅治を連れて行った。
雛罌粟:・・・ん?桐谷か。どうした?
涼太:ああ、スリの犯人捕まえた。
雛罌粟:ほお、仕事が早いな。流石は桐谷だ。で、そいつは誰だ?
慎二:こいつだよ、こいつ。雅治くん。
雛罌粟:・・・・・・雅治?
雅治:雛兄!
雛兄?
奈々瀬:およ?そいつって確かお前んトコの施設にいる子だったよな。そいつがこんなトコで何やってんの?雛罌粟、お前招待したのか?
雅治:ひぃ!ヤンキー!
奈々瀬:ヤンキーじゃねぇよ!
雛罌粟:招待した記憶はない。桐谷、本当にこいつが犯人なのか?
涼太:ああ、間違えない。この子に俺も財布盗まれたし。
雅治:何言ってんだよ師匠!師匠だって手癖悪・・・
涼太:手癖だ?ガキのくせに小難しいこと知ってるな。俺は別に手癖悪くないし、善良なる高校2年生です。
慎二:嘘つけ。
今日のボケとツッコミが見事に逆転している気がする。
奈々瀬:で?なんで福山くんはスリなんかしてたんだ?
雅治:堀田雅治!それじゃあガリレオじゃん!
雛罌粟:話を逸らすな。いいか、雅治。理由を言え。さもないと・・・
と言って手をボキボキ鳴らして恐い目をする。小学2年生に送る視線ではない。
雅治:言う!言うから殺さないで!
涼太:おいおい、子供相手に大人気ねぇぞ。
奈々瀬:いや、スリの相手をスリでやり返すやり方ほど大人気ねぇやり方はねぇと思うよ?俺は。
雅治:明後日・・・マザーさんの誕生日なんだよ。だから・・・
華:マザーさん?
雛罌粟:施設で俺たちの世話をしてくれる人だよ。だから特に赤ん坊の時に捨てられ、ずっと施設で育ってきたこいつにとっては母親同然ってことだ。
そんなお母さんのような存在であるマザーさんに贈り物をしたいが、当然そのようなお金はない。だから何とかそのためのお金を手に入れるため、スリを働いたと言うことらしい。
雛罌粟:理由にはならない。そんな理由でスリが罪にならないとでもいうと思ったか。クソガキ!
涼太:落ち着けェ!殴り掛かってんじゃねぇ!相手はガキだぞ!まあ反省してるようだし、財布も戻ってきたことだし、一発拳骨で済ませばいいんじゃないの?
雅治:結局殴られるんじゃん!
雛罌粟:拳骨一発で済むならありがたく思え!ボケ!
ボコッ!
なかなかの拳骨であった。
雅治:雛兄、師匠・・・酷いよ・・・
涼太:ふーっ、さあ、行くぞ雅治。
雅治:行くって・・・どこへ?
涼太:ここは文化祭だぞ。お前の望むものは手に入らないだろうが、タダで景品なら手に入るぞ。
慎二:景品・・・あ、そうか!縁日だ!
華:縁日・・・?確か桐谷くんのクラスがやってる?
涼太:ま、俺のクラスに限らず、景品のあるクラスは結構あるだろ。金だけがすべて思うなよ。いくぞ、クソガキ!
雅治:は、ハイ!師匠!
続く