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Re: 彼は天邪鬼 【オリキャラ募集開始】 ( No.40 )
日時: 2013/05/27 20:56
名前: 莉遠 (ID: 9NSOECiE)

NO.10『だからこの男は・・・』


美里:ねぇ涼太、今楽しい?

涼太:ん?どうしたの急に?

昨日、家に帰る途中に姉にこんなことを尋ねられた。薄々感じていたが、今回姉が自分を町に連れ出したのは確かにコーディネートの練習もあったが、何か自分と話をしたかったように感じた。

美里:だってアンタ、ちょっと前まで毎日すっごくつまらなそうな顔してたんだもん。友達だって多い方じゃないんでしょ?昔から家に友達呼んで来たりしなかったし。

涼太:別に、多い方じゃないけど友達ならいるよ。そんな姉ちゃんに心配されるようなことはしてないよ。

美里:不思議よね、アンタって別に友達できないような性格でもないのに・・・。天邪鬼だからってことでもないんでしょ?だってちょっと他の人より運動ができるだけだし。

涼太:う〜ん、なんか周りの人と壁を感じるんだよな。けど、少ないながらもちゃんと友達も出来てるし、今は涼子ともうまくいってるし、大丈夫だって。

美里:そうだ!来週は涼子と買い物に行きたいな〜。やっぱり弟より妹と行った方が楽しいのよね。

涼太:あっそ。俺はいいから、あとで涼子と交渉してくれ。



そして翌々日・・・・つまり学校の始まる月曜日。




涼太はいつも通りに学校に来た。だが学校に着いたら若干いつもと違っているのにすぐ気づいた。何やら周りの目がこっちにいつも以上に集中している気がする。


不審に思いながらもいつも通り2年A組に来た。入ってきた瞬間クラスのほぼ全員がこっちを見ていた。


涼太:え?な、何?

慎二:桐谷・・・ここは白黒はっきりさせておこうぜ!

ぶっちゃけ全く身に覚えのない白黒なのである。

慎二:お前、彼女いるの?年上の!しかも美人の!

涼太:彼女?は?いないけど?

美砂:しらばっくれんで!ウチらぁ見たんじゃけぇ!アンタが年上の別嬪さんと一緒に服買いに来てたの!


服?ああ、そういうことか・・・。忘れていたが確かアイツらにちょっと(本当にちょっとだけだが)つけられていたっけ。


涼太:ああ、あれ俺の姉ちゃん。





え?姉ちゃん?




美砂:え?何?アンタにゃぁあがぁに綺麗なお姉さんがいるん?

涼太:あがぁ?綺麗かどうかは別にして、俺は土曜日姉ちゃんとH&Mに行ったの。つーかお前らにあそこでつけられてたの覚えてるぞ。

慎二:え?わかってたの?

涼太:わかってたわ。つーかお前何?もう色んな人にバラしちゃったわけ?朝ここまで来るのに色んな人から色んな目で見られたんだけど。

慎二:え?あ、そうだよ。


ハァ、だからこの男は・・・と思ったが、まあすぐにまたデマ情報だったっていう噂を流すだろうと思った。


考えてみれば不思議な話だ。よく噂をされる男がよく噂を広げてしまう男とよくつるんでいる。この2人、実に色んな意味で対照的なのである。



不思議な話で、もう学校中に広まっている噂は、昼までにはデマだったという噂が誰もの耳に届くようになっている。古畑慎二の友達の多さは本当にすごいのである。よって、たくさんの女子がとても笑顔でいるのである。




涼太:なあ、噂ってどうしたら広まらないと思う?ていうか俺にもし仮に彼女がいたとして、それってどうなのよ?

涼子:う〜ん、けどアンタってモテてるから重要なんじゃない?

涼太:別にモテないだろ?ただ、やっぱどこか人と違うって感じでみんな見てるんじゃないの?

涼子:出た出た、天邪鬼コンプレックス。天邪鬼だからってことがすべてじゃないと思うよ?

涼太:・・・何?どういうこと?

涼子:自分を好きじゃない人間に、どうして他の人が好きになってくれるの?あなたがモテているのは、あなたがイケメンだから。だけど本質を好きになってくれているのはあなたの言う通り、多分少ない。

涼太:何かの哲学?

涼子:そんなんじゃないわよ。ただ・・・




君はもっと自分に自信を持つべきなんだよ





俺は桐谷涼太、天邪鬼をコンプレックスと思っている高校2年生。だが・・・その天邪鬼のもう一つの人格、涼子の言うことは認めざるを得ないのである。





続く