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Re: 彼は天邪鬼 【総選挙開始!ご協力お願いします】 ( No.415 )
日時: 2013/11/14 21:51
名前: 莉遠 ◆gX.y9FxA6g (ID: leOS3oG6)

NO.58『冗談だ』


早かった。まー早かった。


10人弱いるヤンキーをあっさり倒してしまった。そして・・・・・・


ヤンキーA:兄貴!本当に申し訳ありませんでした!!!

涼太:誰が兄貴だ。


すごい強い涼太のことを慕うようになってしまったヤンキーたち。取りあえず、これで事件は解決したのだが・・・・・・


慎二:いや、さすがは桐谷先生。喧嘩の腕っぷしも頭の良さも容姿もナンバーワンッスね!

涼太:おだてても何も出ないぞ。

雷:だが・・・、あの動き。喧嘩慣れしすぎじゃないのか?ひょっとして、昔ヤンチャしてたとか?

涼太:してないから。変な詮索はやめろ。別に喧嘩慣れしているわけではない。殴ってくる拳を普通にかわして普通にやり返しているだけだ。

雷:人はそれを喧嘩慣れしていると言う。普通にって何だ。

慎二:まあまあ。有村さん無事だったし、遠山ちゃんと美砂と合流しようぜ。このヤンキーは何とかしとけよ、桐谷。

涼太:なんとかって何?



ヤンキーを相手取るのは男だけで十分!という何もしていない慎二君の一言で、女子たちは今、おそらくもうお土産を買う時間がないということで八つ橋などのお土産を買っているところである。



涼太:それじゃあ行こうか。有村さん、大丈夫?

優香:は、ハイ・・・。


その頬は少し紅潮していた。こいつは惚れちまったなと思った慎二であった。




そしてホテルにて・・・・・・




涼太:急げ!あと5分で5時になってしまう!そうなったら・・・

慎二:腹筋背筋1000回だァァァ!

雷:く・・・それだけは御免だ!

慎二:あ、有村ちゃん!くれぐれも誘拐の話は内密に・・・

美砂:こがぁな時に出るセリフがそれ?げに最低じゃのぉ、男って!




そして外で竹刀を持った先生が見えた。完全に玲子先生だ。そしてこちらをギロっと見る。



慎二:せ、セーフ!だよな!玲子ちゃん!

玲子先生:今の台詞がアウトだよ!誰が玲子ちゃんだボケェ!

涼太:ハァ・・・危なかったな。

玲子先生:いや、アウトだ。

雷:何だと?

玲子先生:お前たちの時計がセーフでも、私の時計ではアウトなんだよ!女子3人は腹筋背筋10回!男子は1000回!夕食前に終わらせて来い!




はああああああ!?





涼太:997・・・998・・・999・・・1000。やっと終わった・・・腹筋背筋・・・


と言って涼太はぶっ倒れた。流石の天邪鬼でも腹筋背筋1000回ずつはキツかったらしい。当然のことながら、2人はいまだ終わっていない。ていうかもう動く気配がない。

涼太:大丈夫か・・・生きてるか?

慎二:死んでる。

涼太:死んでいる奴が“死んでる”って喋ると思うか?ちゃきちゃき体動かさないと夕飯ありつけないぞ。

雷:しかし・・・無理があるだろ。1時間でこれを終わらせるのは・・・桐谷。お前おかしい。

涼太:おかげで体のあちこちパンパンだけどな・・・・・・



コンコン・・・・・・




涼太:ハイ?

遠山さん:3人ともお疲れ様。もう夕飯だから、続きはその後にやれって北山先生から。

慎二:お、終わった後もあるの・・・俺もうダメ。

涼太:死ぬな。ほら立て。行くぞ。



そのあと、慎二と雷がどうなったかは誰も知らない。


そして、寝ようと思ったその時、涼太に一本の電話が来た。当然彼はそれを取った。

誰からの電話と言うと・・・赤西正義からであった。



涼太:おお、赤西か。どうした、急に。

正義:いや・・・お前、今京都にいるらしいな。頑張れば会えるではないか。

涼太:嫌だね。

正義:わかっている、そんなことはしない。冗談だ。一つ言っておきたいことがあってね。

涼太:・・・・・・何?

いつもならここからガンガンボケるのが赤西正義と言う男なのであるが、今回はボケなかったので真面目な話なのだろう。そう悟った涼太はこれ以上何も言わなかった。


正義:最近、誰かにつけられてる気がする。

涼太:はあ?ストーカー?お前金持ちだから誘拐でも考えてるんじゃねぇの?

正義:いや、違う。縛ってボコって聞いたのだが・・・

涼太:ボコッたのか!?

正義:「この世に化け物がいる。その可能性があるとみてつけてただけだ」と言っていた。僕は何とか誤魔化せたが、ひょっとしたらこっち方面に来てるお前にもそういうことがあるのではと思って電話したまで。ないならいい。


この世に化け物がいる・・・それは・・・俺たちのことなのか?

つけられているならおそらくすぐ気づく。と言うことはまだそういうことはない。誰かが・・・俺たちの正体に気付いているのか?





涼子:気になるの?赤西くんが言ってたこと。

涼太:うん・・・まあな。


今、誰もいないトコで、鏡を用いて涼子と話していた。


涼子:きっとなんかの間違えだよ。赤西くんだって何とかなったって言ってるし・・・きっと何とかなるよ。

涼太:そうだと・・・いいんだがな。


そう、まだ何も起こっていない。だが、涼太にはなぜか胸騒ぎがした。この後、大変なことが起きる気がする。今まで感じたことのない感じ。



だが、その悪い予感は・・・当たってしまうのである。








続く