コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 彼は天邪鬼 【総選挙開始!ご協力お願いします】 ( No.420 )
日時: 2013/11/17 16:20
名前: 莉遠 ◆gX.y9FxA6g (ID: leOS3oG6)

NO.59『お願いね〜』


涼子:ぐはっ!体中筋肉痛半端ない!


修学旅行から帰ってきたが、腹筋背筋1000回をやったダメージはまだ残っており、そのせいで涼子にまで被害が出ているのである。


涼子:痛たたたた・・・あの先生鬼畜すぎるだろ!ったく・・・信じられない。うう・・・折角久しぶりに外に出れたのに・・・


と言ってベッドでゴロゴロしていたら、インターホンが鳴って、そのあと、母・美奈からこんな一言が飛び出した。


美奈:涼子ー!お客さんよー!

涼子:は、ハイ・・・?


体中の痛みに耐えながら玄関に行ったらそこには慎重195cmの村上敦くんが立っていた。


敦:久しぶりー。てか、りょーちゃんメインの話って久しぶりだねー

涼子:うるさいわね!だって修学旅行と文化祭って学校行事じゃん!私出れないし!で、何の用なの?

敦:うーん、付き合って。

涼子:は、ハァ!?な、何?きゅ、きゅきゅきゅ急にどうしたのあっくん!

敦:今日のセールでお肉3セットは欲しいんだけど一人1セットだけなんだよね。と言うことで、買い物付き合って。

涼子:あ、びっくりした。そういう意味の付き合ってね・・・

敦:何を想像してんのか知らないけど・・・俺の兄妹構成知ってんだったら手伝ってよ〜。

涼子:ま、筋肉痛酷いけど、いいわよ。てか、3セットって・・・あと1人誰か呼んでるの?

敦:う〜ん。スーパーで集合だから。行くよキリちゃん。


と言って敦の家の近くのスーパーに行った。そこには主婦が沢山いた。ていうか・・・多すぎやしないか?


涼子:ここはディズニーランドのアトラクションですか?人がわんさかいるんだけど・・・

敦:今回の肉は3セット限定だからね、しかも、激安。

涼子:いや、その3セットすべてをゲットしようとしてるのか!あっくんとことん主夫だね〜


そういう主夫は現在ポテトチップスをポリポリ食べております。やる気があるんだがないんだか・・・

そして、あの主婦集団の中に若い女の子が一人混じっているのが見えた。その少女はスポーツウエアを着ていて、何やらスポーツ前の準備体操的なことをしている。その子とは・・・


裕香:おっ!敦〜!涼子〜!こっちこっち!

涼子:いやいや、あっくん。もう1人の助っ人って・・・

敦:見たまんまでしょ。久利生ちゃん。

裕香:よう涼子!久しぶりだな!

涼子:・・・・・・なんで?

敦:だって、セールで求められるのは運動神経でしょ。そう考えれば久利生ちゃんに頼むのは当然でしょ。そんで、次に知ってる運動神経がいいのは、桐谷ちゃんでしょ。

涼子:おかしいだろ!どうしてそうなるの!?


その時、大きな声が聞こえた。



“只今より、巨人セリーグ制覇!応援ありがとうセールを始めます!黒毛和牛7割引き!早い者勝ち!たったの3セットですよ〜!”


主婦たちの目が変わった。




うおおおおおおお!




敦:俺たちも行くよ!久利生ちゃん!桐谷ちゃん!

裕香:任せろや!このスーパースポーツ美少女が肉をゲットしてやらぁ!

涼子:美少女が肉に固執するわけないでしょ。とはいえ、まあ任せられたからには、私も走るか。

敦:お願いね〜



そして3人は肉のもとへダッシュする。勿論3人は若いし天邪鬼。主婦たちに後れを取るわけがない。普通に3人は先頭を走っていた。そして・・・


裕香:よし!1個取った!

敦:よ〜し!これで3つゲットだね〜〜!

涼子:うん!よし・・・


と言って涼子は肉を手に取ろうとしたら誰かと手がぶつかった。

まさか・・・主婦たちは追いついているわけないし・・・天邪鬼に匹敵する運動神経の持ち主なんてそうそういない。誰・・・



麻美:すいません、その手をどけてくれませんか?


あ、アンタかァァァァァ!え?なんでこんなトコにいんの?


麻美:先ほどの2人、あなたのお友達でしょう?ていうことはもう2つはゲットしているわけです。一つくらい譲ってくれませんかね?

涼子:・・・・・・こっちも頼まれた身なんで本気でやらなきゃいけないのよ。じゃんけんで公平に決めましょうか。

裕香:オ〜イ!涼子!何やってんだ!早く肉買おうぜ!

麻美:・・・・・・上等です。じゃんけん!




ぽんっ!





敦:いや〜、無事3つゲットできたね〜。2人ともあんがとね。この後家で焼き肉パーティやるからよかったら来てよ。

裕香:おお!マジでか?肉食うぜ〜〜!

涼子:ねぇ、2人とも・・・やっぱ1つくらいあの子に譲れられないかな?

敦:えー・・・それはちょっと・・・


と話している側で、彼女は誰かと電話していた。


麻美:ごめんね・・・お肉、手に入らなかった。また今度、作ってあげるから・・・ごめんね・・・ごめんね・・・


いつもの凛とした彼女とは打って変わって、その姿は弱弱しかった。いや、いつも敬語の彼女が標準語を使っているのに違和感を感じているのもあるのであろう。


涼子:ねぇ、やっぱ話だけでも聞いてみようよ。あの子、何かあるんだよ。

裕香:チッ、相変わらずお人好しだな〜。

敦:話だけね。絶対肉は譲らないから〜。







続く