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Re: 彼は天邪鬼 【陰陽師篇開始】 ( No.456 )
日時: 2013/12/19 22:40
名前: 莉遠 ◆gX.y9FxA6g (ID: lITb0hIn)

NO.62『やるかやらないかだ!』


バレてる・・・私が天邪鬼ということが。だけどこの人と私は会ったことがない。それに3人の陰陽師が先回りしてたことから、出会う前から私が天邪鬼だということを知っていたように思われる。

さらに、正義も誰かにつけられたと言っていた。まさか陰陽師に・・・


黒鉄:覚悟は出来たか?たとえ小娘であろうと容赦はしねぇぞ。

涼子:待って!私が天邪鬼だってことは認める!だけどなんで知ってるの?それを教えてよ!

黒鉄:知ってるぜ。久利生、村上、玉山、神木、赤西、そしてお前、桐谷。この6人が天邪鬼だろう?ま、赤西正義はなんかうまいように撒かれたがな。



どうやってだ?どうやって撒いたんだ?正義は。



黒鉄:俺たちには何でも見通せる“千里眼”を持っている重鎮がいるんだ。あ、言っちまった。

陰陽師A:全く、頭領。単純なんですから・・・

黒鉄:ああ?うるせぇな、テメェ帰ったら腹筋1000回やっとけ!

涼子:な、なんか北山先生みたいだ・・・


陰陽師・・・と言うからにはやはり硬い人物なのかと思ったが意外とそうでもなかった。いや、白さんもそうなのだがそれは言わないでおこう。



黒鉄:あーウゼェ!もうさくっと斬ってさくっと終わらせよう!なんかヘマやらかしちまっても取りあえず斬る!斬ったあとすべて考えばいいんだ。

涼子:め、滅茶苦茶言ってるよ!この人本当に陰陽師の当主!?



黒鉄は剣を抜いた。その剣はまさしく真剣。つまりリアルな剣なので斬られると非常にマズイ。

だが前には剣に煙管、そして二言目には取りあえず斬るということを言う中二が考えそうな設定の持ち主の陰陽師当主。そして後ろには若者陰陽師3人。逃げ場はない。どうしたものか・・・


黒鉄が涼子に斬りかかろうとした瞬間・・・空から人が降ってきた。その人とは紛れもなく白さん。そして黒鉄はその勢いを殺した。




涼子:し、白さん!

真白:ATMから金を下ろして戻ってみれば・・・男どもが可愛い女の子をヤンチャしようとしてたから成敗しようと思って見参したぜ。久しぶりだな〜黒鉄くん?

黒鉄:あー、その女の着ている着物、どっかで見覚えあると思ったらお前の着物だったのか。なんでお前こんなトコにいるんだよ。そいつは天邪鬼だ。

真白:天邪鬼だからって人に危害を与えたか?倒すべき相手はこいつらじゃねぇよ。東京バナナでも買って京都帰れ!

黒鉄:うるせぇなァ!東京バナナで満足できるか!5年以上ぶりか?会ったのは。相変わらずお前は馬鹿なんだな!俺に指図すんな!今の陰陽師の当主は俺だコルァ!




アレ・・・何かスイッチ入っちゃった?





真白:テメェみたいな馬鹿が陰陽師の当主か。世も末だな。もう陰陽師は終わったわ。いや、元から終わってたけどこれで崩壊もんだわ。死ね。

黒鉄:テメェが死ね。白、テメェが勘当なんかされちまうから俺が継承者になっちまったんだろうが!元々の継承者はお前だろうが!




えと・・・色々暴露話が・・・




真白:大体テメェ煙管なんて吸っちまってよォ!今からやめろ!副流煙をまき散らすなボケ!

黒鉄:お前は存在自体が公害だろ。さっさと消えろボケ!


涼子:お、落ち着いて2人とも!




と、なぜか涼子が喧嘩の仲裁に入る始末である。





涼子:あの、お二人はお知り合いなんですか?

真白:ああ。二人とも陰陽師で同い年だから幼いころはよく遊んでたんだよ。まあいわゆる、腐れ縁。

涼子:それは幼馴染でしょ。腐れ縁じゃなくて。

真白:まあいいや。取りあえず涼子、私が来たからにはもう安心しろ。

黒鉄:・・・・・・やろうってのか。俺は昔より何倍も強くなったぜ。陰陽師の世界から長く遠ざかったお前が俺に勝てると思ってんのか。

真白:さあな。だが、今はそんなこと考える気はねぇよ。勝つか負けるかじゃねぇ。やるかやらないかだ!



と言って着物から札を出して印を結ぶとポンッと煙が出てきて、札が木刀のようなものに変わった。その目つきは今までの飄々としてやる気のない目をしていたが、今の目は輝いていて、キリッとした顔つきだった。今の顔なら元陰陽師だと言われても納得がいく。



黒鉄:木刀か。木刀で俺のこの退魔剣に勝てると思ってんのか?こいつの切れ味はお前もわかってるはずだ。陰陽師の当主に受け継がれるこの剣、相手が人でなくともよく斬れるぜ。

真白:この木刀なめちゃいけねぇよ。私の術式が直に込められた清水寺の近くの売店で買った木刀だ。

黒鉄:土産品じゃねぇか!なめてんだろ!

真白:今時真剣なんて持ってたら銃刀法違法なんだよバカヤロー!



と言ってバトルが始まった。今のうちに逃げよう。


涼子は下駄と足袋を脱ぎ、パッと見廃墟であった隣のビル(アレ?ウチの小説廃墟多くね?)の窓をその下駄で割り、逃げ込んだ。そして、黒鉄は真白が相手をしていたため、追ってこなかったが、若い陰陽師3人が追って来た。



涼子:しつこい・・・

陰陽師A:なんかよくわからない人が邪魔をして頭領が動けないが、あの女もすぐに終わるだろう。なんせ頭領は現陰陽師最強の男だ。




だがこの時、若者4人は知らなかった。現陰陽師最強の男は松坂黒鉄だが、数年前には陰陽師最強の女がいたということを・・・








続く


活字のくせにアクティビティですいまっせん!