コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 彼は天邪鬼 【陰陽師篇開始】 ( No.458 )
- 日時: 2013/12/20 21:36
- 名前: 莉遠 ◆gX.y9FxA6g (ID: lITb0hIn)
NO.63『私じゃねぇんだよ!』
陰陽師・・・妖を倒すべく結成された組織であり、その力の根源は巨大な力を持った安倍清明によるものである。そしてその安倍清明より力を授かりし二つの家があり、それが現在の松坂家と竹内家である。
ただし、竹内家には安倍清明の血が受け継がれており、代々正統継承者は主に竹内家が担っていた。それを勿論松坂家は快く思っていなかったため、両家はいつも緊張状態であった。
ここで、ここからのお話をよりよくわかっていただくため、陰陽師について、つまり白さんと黒さんの過去について知っていただきましょう。
まずは竹内家、先ほど述べた通り、安倍清明の直系がいる家であった。だが、真白が生まれてすぐ、『百鬼の夜』という事件が起きた。小難しいことを言う気はないのだが、まあ原因不明だが突然すっごく沢山妖が生まれたのだ。
それに駆り出されたのが竹内家使用の陰陽師。だが、力を持つ者もすべてやられ、竹内家には真白しかいない状況になってしまった。つまり、次期正統継承者が真白に確定したということだ。
そんな真白が3歳の時、初めて黒鉄と出会った。
松坂家陰陽師:黒鉄、この子は竹内真白様だ。女の子だが安倍清明様の血を受け継ぐ唯一の陰陽師なのだ。だが、この子には肉親がいなくて寂しい思いをすることになるだろう。だから黒鉄、同じ年だし仲良くしてあげなさい。
黒鉄:ハイ・・・
黒鉄にとっての第一印象の白さん、それは本当に単なる可愛らしい女の子であった。とても家族のいない女の子とは思えないような女の子だった。
黒鉄:し、白・・・白は寂しくないの?お父さんも・・・お母さんもいないんでしょ?
まだ幼かった黒鉄は、ある日こんなタブーなことを聞いてしまった。普通の人なら寂しい顔をするだろう。だが、真白は笑ってこう言った。
真白:全然!確かにお父さんもお母さんもいないけど、黒とかいるし!いないもん気にしたって仕様がないじゃん!
そう、彼女は大人だった。いや、それでは少し語弊があるか。正確に言うと幼いながらも現実をわかっていた。かつては2人は仲が良かった。それがある日、唐突に関係が変わることになるのだ。
上記でも述べた通り、松坂家は自分の家から継承者が現れないため竹内家を妬んでいた。つまり、一時期は自分たちで育てたとはいえ、真白を陰陽師から追放しようと画策した。
それは約7〜8年前。ちょうど涼太と真白が出会った時期であった。そしてそのことはまた後々述べていくが、見事家族を更生し京都へ帰って行った。
そしてその後すぐ、何かと理由をつけられ、真白は松坂家を追い出され、黒鉄が新しい正統継承者になったのである。
少し長くてまじめな話になってしまったが真白と黒鉄の関係はざっとこんなところである。
では、本編に戻ろう
黒鉄:なんで今更現れやがったんだクソ女!
真白:別に現れる気はなかったよ!だが、涼子は私たちの倒すべき相手じゃねぇよ。私たちの倒すべき相手は他にいるんだよ!
剣をかわしながら2人は会話していた。
黒鉄:俺たちってなんだよ。テメェはもう陰陽師じゃねぇだろ。何もやることはねぇだろうが!
真白:違ぇよ。陰陽師としてやることはない。だけど、涼子のお姉ちゃん的存在として、やることはあんだよ!私はアイツの魂の綺麗さを知ってる。それを知ってて天邪鬼だからって見殺しにするのは、私じゃねぇんだよ!テメェもゲスい大人になってねぇんだったらよく考えろ。私たちの戦う相手は誰かと言うことを。
黒鉄:・・・・・・誰だ?その戦う相手ってのは
5年以上のブランクを全く感じられない動きを見せる白さん。全然負けていなかった。
黒鉄:やはり、流石は元陰陽師最強の女。腕は鈍ってねぇみたいだな。一筋縄じゃいかないか。だが、お前は負ける。鈍っていねぇとはいえ、前より強くはなっちゃいねぇ。それに、動けててもスタミナが付いて行ってねぇようだぜ。歳を取りたくねぇもんだ。
真白:オイ、私はまだ20代半ばだぞ。それに、言ったろ、勝ち負けは関係ねぇんだよ。いつかこうなることはわかっていた。だからお前を説得する。
黒鉄:説得・・・だと?
真白:お前に教えてやるよ。イザナミっていう女のことをな。
涼子side
涼子は全力で走って逃げていた。本当は大きい道に出たいところだが、それは自分が天邪鬼だとバレるリスクもあるため、special story人気投票篇のごとく屋根に上って逃げていた。
だが、後ろから陰陽師が投げた札が沢山投げつけられ、それをかわしながら逃げていたため、その差は徐々に縮まっていた。
涼子:くっ・・・戦うしかないか・・・だとしたら陰陽師が相手だから涼太と代わらないと危ないかも。
だけど・・・この恰好で涼太に変わったらカオスだ(女性ものの着物)。
だが、戦うしかこの状況を打破する道がぶっちゃけない。3人相手でキツそうだが・・・やるしかない!そう思って涼子は逃げることをやめた。
陰陽師B:観念したか天邪鬼!頭領に代わって、お前を滅してやる!
来る!
“あーあ、これは僕が助けなきゃダメな奴だね”
そんな声がした次の瞬間、3人の陰陽師が一瞬にして消えた。いや、消えたんじゃない。皆一瞬で全身血まみれになり、もうそれは人の原型を留めていなかった。
そんなグロイ光景を全く見たことない涼子は吐き気がした。そして前を見ると、そこには・・・・
イザナギ:やあ、助けてあげたよ。桐谷涼子ちゃん?久しぶり!
イザナギがいた。
続く