コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 彼は天邪鬼 【陰陽師篇開始】 ( No.463 )
- 日時: 2013/12/21 21:50
- 名前: 莉遠 ◆gX.y9FxA6g (ID: lITb0hIn)
NO.64『会いたかったよ』
陰陽師篇、強力な陰陽師の松坂黒鉄が天邪鬼である涼子を襲うという話である。だが、本当は違う。単にそれだけであればそんなに長篇にはならない。
今回のこの出来事、実は陰で導いていた人物がいる。NO.60>>423からそれはイザナギだと考える読者の方々もいるだろう。ある意味正しい。だが、ある意味正しくないのである。
イザナギは、とある目的のために黒鉄を東京に来るように仕向けたのであった。
イザナギ:桐谷涼子ちゃん?久しぶり!って言っても前会ったのは涼太くんの方だから実質的初めましてかな。
常に笑顔を絶やさないが、その笑顔は恐ろしいものであった。笑っているのはわかるが、何か黒い部分を感じる、そんな笑顔だ。
涼子:な・・・なんでアンタが・・・
イザナギ:やだなぁ、君がピンチそうだったから助けてあげたんじゃないか。陰陽師は僕だって敵だ。敵の敵は味方、一時休戦しない。
涼子:だけど・・・こんなのって・・・・・・
若い陰陽師3人は死んでしまった。いや、イザナギが殺したのだ。それなのに彼はヘラヘラ笑ってる。信じられない状況であった。
イザナギ:クスクス、なんでそんな泣きそうな顔してるの?俺は君を助けたんだって。お礼言われてもいいくらいじゃないか。
涼子:・・・・・・おかしいでしょ。人が死んでるのよ?アンタ何とも思わないの!?
イザナギ:思わないよ。
さらっとイザナギは酷い言葉を言った。だが、その顔は相変わらずの笑顔であった。
イザナギ:じゃあ君はゴキブリが死んだら何か感じるかい?豚肉を見て何か感じるかい?感じないでしょ?ゴキブリは皆嫌いだもんね。死んでいても豚肉はおいしいもんね。一緒だよ。僕は・・・人が死んでも何も感じない。
涼子:・・・・・・アンタ本当に何者?人じゃないんだよね。陰陽師が敵ってことは・・・天邪鬼?
イザナギ:天邪鬼?違う違う。僕はそんな人間らしい化け物じゃないよ。人間らしくない化け物だよ。だから・・・ここで着物姿で超可愛い君を殺してもな〜にも感じないよ。
と言ってイザナギはポケットからナイフを出して笑って言った。
涼子:でも・・・今はしないんでしょ?そうじゃなきゃ、私を助けるマネはしない。
イザナギ:さっすが涼子ちゃん。ピンポン!だってさ、あの陰陽師倒すのには骨が入りそうだろ〜。協力しようよ。ね!
涼子:嫌よ。だって、アンタは危険、何を考えてるかわからないし。せめて、目的くらい教えてくれない?
イザナギ:・・・・・・う〜ん、いいよ。別に。教えてあげようか。僕たちはね・・・
とイザナギが話始めた瞬間、涼子の後ろから大量の札が投げつけられて、イザナギはバタリと倒れた。
後ろには、真白と黒鉄がいた。二人ともガチで喧嘩していたのかボロボロであった。
真白:オイ、テメェ。涼子をナンパするたァ100年早ぇんだよ!
黒鉄:どうしてアンタがここにいるのか・・・教えてほしいもんだぜ、イザナギさんよ。
真白:お前、こいつ知ってんのか?
黒鉄:ああ、数年前、ウチの重鎮が急に連れてきたガキだ。なんか、世界中どんなことでも見通せるって言う千里眼を持ってるって・・・
涼子:千里眼?
真白:ま、張られたら超強力な刺激が体中をめぐる札をあんだけ張ったんだ。まあ、気ィ失って丸一日は意識戻らねぇだろうな・・・・・あ?
何事もなかったかのようにひょこっと起き上がって体中に張り付けられた札をすべて取ってニッコリ笑った。
イザナギ:さっきのは流石に痛かったよ。だけど、今のお札には痛さは感じるけど実際体に害はないんだろ?チャンスは今だったよ。こんなんじゃなくて殺傷能力大の札を出せばよかったんじゃない?
黒鉄:・・・・・・おいおいマジかよ。アンタ人間じゃねぇな。何者だ?
イザナギ:イザナギだよ。もうわかってると思うけど、僕は別に千里眼を持っている人間じゃないよ。全く・・・まさか黒鉄さんが陰陽師を寝返るとは思ってなかったよ。
黒鉄:・・・・・イザナミのことを聞いた。こいつはアホだが嘘をつく奴じゃねぇってことは知ってる。だから、俺は今やるべきことがこの小娘を滅することではなく、お前を滅することだと判断した。
イザナギ:なるほどね。だけど一つ気になるなァ。なんでお姉さんイザナミのこと知ってたの?
真白:涼子から昔、話を聞いて色々調べてみたんだよ。そしたら、イザナミがとんでもない奴だってことがわかったのさ。
イザナギ:へぇ・・・すごいね。じゃあ涼子ちゃんに何か仕掛けたのかな?イザナミがお姉さんのこと、誰かわかんないって激おこぷんぷん丸だったよ。
激おこぷんぷん丸って・・・意外と流行を知ってるんだな。
イザナギ:まあ予定と変わっちゃった。どうしようかな、流石に陰陽師2人、天邪鬼1人を相手にするのは嫌だな〜。
“いや、よくやってくれたぞ”
一瞬、瞬きをした、その瞬間に場所が移動していた。屋根の上ではなく、見覚えのある寺の境内にいた。そしてそこには・・・
イザナミ:やあ、会いたかったよ。涼子ちゃん!
イザナミがいた。
続く