コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 彼は天邪鬼 【陰陽師篇開始】 ( No.467 )
- 日時: 2013/12/24 17:31
- 名前: 莉遠 (ID: 5K27D2Vq)
another story NO.6『赤西正義』
ク〜リスマスが今年もや〜ってくる〜♪
12月25日、皆クリスマスと騒いでいる。ガキ共とリア充共が特に騒いでいる。だが、そんなもん知らん。
彼にとって12月25日はただの自分の誕生日。故に、主役はサンタのプレゼントをもらって嬉しいガキでもなく、夜景が綺麗だと夜にデートしてイチャイチャしてるカップルでもなく、はたまたこの小説を読んでくださっている尊い読者様でもない。自分、赤西正義の誕生日なのだ。
だが、赤西正義は知っての通り、大財閥“赤西グループ”の御曹司であり、厳格な教育の下育って来たため、誕生日とかもあまり盛大に祝われていないのである。ただ一言、父親から“おめでとう”と言われるだけであり、いつも通りの食事、誕生日プレゼントも特にはもらったことがない。
そう、だから12月25日は赤西正義の誕生日であるが、そこまで特別な日でもなかったのである。
あの日は中3の12月25日だった。皆、受験勉強で頑張っている時期。だが、正義は勉強しなかった。別に勉強しなくてもパーフェクトな頭脳を持っている彼には不要だったのである。だから、誕生日でも単に彼は暇なだけであった。
しかし、そんな中、ある一本の電話がかかってきた。
涼太:赤西、今久利生たちと勉強してるんだがこいつ馬鹿なんだ。俺も受験勉強あるし、教えてやってくれないか?
正義:ああ、別にいいが・・・
涼太:俺ん家、確か知ってるよな?今から来れる?
正義:ああ、今から行く。ただし・・・
涼太:わかってるよ、ただじゃ動かないのがお前だもんな。今日クリスマスだろ?今ウチにケーキあるんだ。それで動いてくれる?
正義:・・・・・・いいだろう、交渉成立だな。
と言って正義は涼太の家を目指して歩いていた。クリスマス・・・か、やはり巷では皆クリスマスと言っている。
誰一人自分たちの誕生日を祝ってくれない。てか、覚えてもくれない。父親は自分をただの道具としか見ていない。自分たちが生まれた理由なんてあるのか?
財閥の御曹司として生まれ、ただただ次期総帥になるために育てられた。それどころか、天邪鬼の特性のよる天賦の頭脳を幼い頃から財閥のために使われ、その功績を父のものとした。まあそれはかまわない。次の総帥になることに文句もない。文句があるとすれば、それは自分を一人の人間として見ていないことだ。だから誕生日も特に祝わないのであろう。
そんなことを考えていたら、桐谷家に着いた。そして正義はインターホンを押した。
“ピンポーン”
正義:赤西だ。開けてくれ。
“ガチャ・・・”
涼太:お、赤西。悪いな急に呼び出して・・・
正義:わかっている。久利生に勉強を教えるのには骨がいる。受験生のお前にとっても大変なことだ。
涼太:ま、お前も受験生なんだがな。俺の部屋はわかってると思うが2階のつきあたりだ。
正義:ああわかってる。
そして涼太の部屋を開けた。そうしたら・・・・・・
“パンッ!パンッ!パンッ!”
クラッカーの音が鳴り響いた。そしてその部屋には同窓会メンバー全員が揃っていた。
夏姫:赤西くん!お誕生日おめでとう!
裕輝:これでお前も15歳だな。ガキ!
正義の顔はポカンとしており、頭にはクラッカーで飛び散ったテープなどがのっかっていた。
正義:・・・・・・何これ?
涼太:何だよ、お前今日誕生日だろ?受験勉強の合間を縫って、こうして集まって祝ってやろうってことだよ。
蔵之介:ま、後で勉強を教えてもらうのだがな、借りを作らなければお前は動かんだろう?
智:素直に言えばいいじゃないですか。ただ、おめでとうって言いたかったって。僕は違いますけど。
蔵之介:お前も素直に言えよ!
夏姫:ほらほら!赤西くん座って!ケーキがあるんだよ。一緒に食べよう!
涼太:ほら、主役。さっさと座れや。
・・・・・・主役か。まさか僕の誕生日を覚えてくれていたなんて、意外にもほどがあるぞ。父親ですら覚えてくれなかった誕生日。持つものはやはり友達と言うわけだ。
涼太:どうしたんだ?赤西。
正義:いや、何でもない。祝うんなら盛大に祝えよ。
敦:何それ〜。せっかくケーキ作ってあげたのに〜〜
正義:お前が作ったのか。相変わらず料理うまいのだな。
敦:うん。ほら〜、食べて食べて〜
夏姫:その前に・・・裕くん!電気切って!
裕輝:はいよ。
カチッ。
そうしたらさっきまで明るかったからあまり印象を受けなかったが、ホールケーキの上には15本ものろうそくが立っていた。
夏姫:せーのっ!
ハッピーバースデートゥーユー!ハッピーバースデートゥーユー!
ハッピーバースデーディア赤西(くん)!
ハッピーバースデートゥーユー!
涼太:ほら、ろうそく思いっきり消せよ。
正義:・・・・・・仕方がないな。
赤西正義。次期赤西グループ総帥。もうこのレーンでずっと何もなく人生が過ぎゆくと思っていたが、ふとしたときに悪くないこともあるものだ。