コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 彼は天邪鬼 【陰陽師篇開始】 ( No.477 )
- 日時: 2014/01/04 16:00
- 名前: 莉遠 (ID: 5K27D2Vq)
NO.66『自由になりたい』
私はイザナミと名乗っているけど、本名は“かぐや”。生まれたのは現代で言う平安時代あたりだ。この頃、ちょうど人は“鬼”を恐れていた。そんな頃、私は生まれた。
私には人とは違う力を持っていた。その辺の妖なら難なく倒せるほどのものであった。それにより、皆私をたたえるようになり、かぐや姫と呼ばれるようになった。その頃だ。あの憎き男に会ったのは。
?:初めまして。あなた様が噂に聞くかぐや姫様でございますね。私の名前は安倍晴明。妖退治専門の陰陽師でございます。
そう、この男。陰陽師の原点といえる男。憎き男。すべての元凶たる男。安倍晴明。あの頃の私は、まだ幼かった。この世のことを知らなかった。
その男から、鬼を倒すために色々教育を受けた。そして、私が15の時、鬼に戦いを挑んだ。鬼、つまり今“イザナギ”と名乗っている男のことだ。
鬼:やあやあ、まさか俺を倒しにくるのがこんな可愛らしい女の子だったなんてね。
かぐや姫:茶化すのはやめてください。人間のフリをして、たらしこもうとしても無駄です。私はあなたを倒すんです!
鬼:たらしこまれてるのはどっちだろうね。お嬢さん。
私はこの男と戦った。だけど、負けた。ここで死ぬんだ。そう思ったとき、憎き男が来て、こう言った。
安倍晴明:お前が負けることはわかっていた。これで、陰陽師という組織を大きくすることができる。世の救世主がいなくなったことで、人はさらなる救世主を求めることになる。それが俺だ。
かぐや姫:え?
安倍晴明:だが、お前の力がなくなれば、鬼神は本当に誰にも倒せなくなる。だから、お前を封印し、後にお前の力を受け継ぐ者が生まれるようにする。いつか鬼神は誰かが倒してくれることになるだろう。安心して眠りな。
そうして私は封印された。そして時は流れた。
安倍晴明の言うとおり、陰陽師は大きくなった。そして妖も減っていった。いろいろな天邪鬼が生まれた。生まれるたび、鬼神を倒してくれることを期待した。だが、誰も倒せなかった。そして私はずっと封印されたままであった。
そして約20年前、強い天邪鬼が6人現れて、鬼神と戦った。彼らはこれまでの天邪鬼と違い、格段に強かった。その戦いが、陰陽師竹内家がほぼ全滅になった『百鬼の夜』であった。結果的にもわかるだろう、負けたのだ。
その時、私はわかった。もう誰も彼を倒せない。絶望した。一生このまま地中の中で生活しなければならないと思った。そして、私は決めた。もう誰も鬼神を倒せない。だから、鬼神と手を組み、現在に復活すると・・・
イザナミ:だから俺たちは決めたのさ。自分の名を変え、天邪鬼と陰陽師の最悪の敵として立ちふさがることをな。もう待つのはゴメンだ。俺は自由になりたい。
イザナギ:僕の敵は天邪鬼と陰陽師、そしてイザナミ。イザナミは僕の味方となり、そしてウザイ敵2人が消える。こんなおいしい話はないでしょ?
イザナミは自分の過去を述べた。だが、よくわかったことはイザナミもイザナギも自分たちの敵だと言うことだ。
イザナミ:だからさ、涼子ちゃん。今まで俺は君のことを色々助けて来たけど、それは天邪鬼としての力をある程度覚醒させるためさ。天邪鬼の力は俺の力。ある程度強くないと俺の封印を解けなさそうだったんだ。だけど、もう君はいらない。
真白:テメェ!涼子に何する気だ!
イザナミ:言っただろ?もう用はないってね。
涼子はなぜか全身の力が抜けていた。だから逃げたかったのだが、身体が動かなかった。ヤバイ・・・
イザナミ:死ね!
イザナミの手には光が纏い、そして涼子と殴ろうとした。一目でわかった。まともに殴られたらそれだけでやられると。
真白:涼子!
だがイザナミの拳は空振りで終わった。殴られそうになった瞬間、誰かが瞬時に涼子を連れ、真白たちの下まで逃げた。
涼子:・・・・・・び、びっくりした。てか、え?
今の涼子は完全にお姫様抱っこされていて顔真っ赤になった。そして上を見たら、そこにはうまい棒を食べているあっくんこと村上敦の顔が見えた。
涼子:え、ええええ?あっくん?
敦:うん、あっくん。なんか変な胸騒ぎがして、ここまで来たんだけど・・・来て正解だったみたいだね。
その目つきはいつものやる気ないものとは違い、鋭かった。そして・・・
裕輝:おー、村上に涼子じゃねぇか!って、何でお姫様抱っこされてんだ?
涼子:うっ、わ!ちょ、そうだった!あっくん、もう動けるから離して。
敦:あ、うん〜
裕輝も来た。そして状況からすぐにイザナミが敵だと判断し、イザナミをにらんだ。
裕輝:そのうち玉山と神木も来るぜ。もう終わりだ。
イザナギ:終わりだって。どうする?
イザナミ:うん、まあ今倒してもいいけど、俺すごく運動不足なんだ。涼子ちゃんだけならまだしも、裕輝くんと敦くんはちょっときついかな。と言うことで、ここは引くよ。
イザナミはパンッと手を叩いたらドロンッ!と煙が立ち、その煙が去ったとき2人はその場から消えていた。
裕輝:気配はもう近くにねぇ。逃げられたか。なあ、何があったんだ?
涼子:それは・・・今から説明するよ。
続く