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- Re: 彼は天邪鬼 【陰陽師篇完】 ( No.494 )
- 日時: 2014/02/04 17:15
- 名前: 莉遠 ◆gX.y9FxA6g (ID: ZsftZnZN)
NO.70『金銭至上主義者だ』
慎二:あのさ、炎泉、もう一回言ってくんない?
雛罌粟:だから、ボーリングとは何だ?周りの奴らを見る限り、あの球であの白い置物を蹴散らす競技か?
涼太:まああながち間違っていないけど・・・これじゃあ勝負どころではないな。
奈々瀬:ちなみに、負けた方は今日の夕飯おごりだから。
慎二&涼太:!?
つまりはこういうことだ。奈々瀬は雛罌粟がボーリングを知らないのを知っていてこういう勝負を持ちかけた。そして、大人気なく弟から夕飯代を徴収しようと考えたのだ。まあそれ故、奈々瀬が連れてきた2人の友達はボーリングがうまいのである。
雛罌粟:何を恐れる必要がある。勝てばいいんだろ?勝てば。
慎二:いや、だけど初めてでうまくいくほど甘くねぇよ、ボーリングは。まいったな・・・俺もあまりうまくねぇんだけどな・・・桐谷は?ベストスコアなんぼ?
涼太:ベストスコア?そりゃ・・・お前、300だけど?
は?
雛罌粟以外の全員の視線が一気に涼太に集まった。
雛罌粟:待て、ボーリングのスコアの最高得点は何点だ?
慎二:300点。全部ストライク取ったら300点になるんだよ!何お前?天才?
雛罌粟:ちょっと待て!ストライクとは何だ?
慎二:お前ちょっと黙ってろよ!
まあ涼太がボーリングうまいのは当然だ。涼太の天邪鬼の特殊スキルは学習能力が異常で、パッと見たり聞いたりしただけですぐに出来るのである。つまり、ストライクをした人のフォームを1回見ただけでずっとストライクが取れるようになるのだ。
この現実に3年生3人は一瞬で顔が真っ青になった。まさかこんなとんでもないヤローを連れてくるとは予想外過ぎる。
だが・・・
奈々瀬:ただし、投げる回数は皆一緒だぜ。10回まであるから・・・まあ最低一人3回はやれよ。
涼太:あー、マジか。オイ古畑、お前最高スコアは?
慎二:いや、いつも100ちょいくらいしか取れねぇよ!
涼太:チッ使えねぇな・・・
慎二:使えない!?
涼太:これじゃあこっちおごる羽目になんじゃねぇか。3回で炎泉がうまくなるとも思えねぇしな・・・どうやったら金を払わなくて済むんだ・・・
慎二:ちょっとちょっと、桐谷?お前なんかちょっとキャラ変わってねぇ?
涼太:4回投げて、すべてストライク取るとしてもたかが70点。そっから古畑と炎泉がそれなりに出来たら何も問題はねぇんだが・・・
雛罌粟:俺、わかった。多分桐谷の奴、金銭至上主義者だ。
慎二:え?何?金銭・・・なんだって?
雛罌粟:金銭至上主義。つまり、金は絶対だと考えてるってことだ。おそらく今若干キャラ変わってんのはそれだろう。金がかかってるから。
そう、雛罌粟君鋭い。涼太は基本的に性格はいい。優しいし、良識はあるし、爽やか、人当たりはソフト、しかもツッコミ役になりやすいほどの賢さである。だが、涼太はお金好きである。それは、学園祭でもちょっとわかることではある。
確かに友達を傷つけるやつは容赦しない。だが、スリをスリでやり返すようなダークな人間ではない。つまり、“金”がかかっていたからである。まあ涼太がお金好きには理由があるのだが、それはまた今度・・・話すのか?
そして涼太は雛罌粟にボーリングのレクチャーをしていると・・・
3年生A:やった!スペアだ!
奈々瀬:オーケーオーケー!よし、次は2年チームだぜぇ!
涼太:よし、じゃあ俺が手本を見せ・・・
雛罌粟:球を転がせばいいんだな。よし、やってくる!
慎二:ちょっと待てぇぇぇ!1投目は桐谷にやらせ・・・
投げてしまいました。そして結果・・・
雛罌粟:すまん、あの白いのに当たらなかった。
慎二:馬鹿だ!こいつ馬鹿だ!嫌あああああ!
涼太:大丈夫だ、別に交代に投球するルールはない。
奈々瀬:いやいや、交代で行く。つまり、10投目は雛罌粟決定ィィィ!
死んだ・・・
慎二がそう思って涼太を見た瞬間、涼太の目は今までになく黒く染まっていた。
涼太とは約2年間一緒にいる。怒っている姿は何度か見たことある。だけど・・・これは・・・キレてるというか・・・
涼太:オイテメェら・・・次もしヘマしたら・・・・・・・・ぶっ殺す!
ただただすっごくテンパってる!キャラ変わりすぎだっての!
奈々瀬:よし、じゃあ次は俺が投げてくるぜ!
そうやって奈々瀬は球を持った。そして投げようとしたその瞬間・・・
涼太:今だ古畑。やれ。
慎二:おう!紅坂奈々瀬!3年C組9番!推薦で遠海大学文学部に進学確定。そして旭野高校にいる間に5人女にフラれた!チャラそうに見えて意外と彼女いない歴イコール年齢!
奈々瀬:え?ちょ、なんで知って・・・あ・・・
手元が狂い、見事にガーターになった。
奈々瀬:な、なななな何で5人にフラれて、しかも俺がまだ彼女出来たことないの知ってんだよ!
3年生B:あ、そうなんだ。
奈々瀬:ちょ、ちょいちょい!てか、テメェらなんで・・・
涼太:ま、ここに情報のスペシャリストがいるからなァ、ちょっとした噂ならすべて知ってるぜ。
慎二:桐谷〜、お前頭いいな〜。俺たちの点数を伸ばすんじゃなくて、先輩方の点数を下げるなんてよ〜
な、なんかとんでもないゲームになる予感!
続く